第4話 脳外科一般病棟302号室
突然の脳出血から3日目
集中治療室から一般病棟に移動した。
意識はしっかりしているが、左半身麻痺で喋りにくい。
点滴、排尿のカテーテル、各種センサー
体中にケーブルやチューブだらけ。
利き腕が無事なのが助かる。
入院初日は、両親兄弟 会社の上司が様子見に来てくれた。
詳しく話を聞くと本当に死にかけたらしい。
明日から、リハビリを始めるらしい。
早くからリハビリしないと壊れた神経回路の迂回路が出来なく一生左半身麻痺になるらしい。
スマホと充電器 Wi-Fi 延長コードを持ってきてもらい、充電しつつ立ち上げるとラインにメッセージの嵐が(゜Д゜;≡;゜Д゜)
一瞬にして『既読』が付く
ひとみ『ラインないけど心配』
ひとみ『何かありましたか。』
ひとみ『(; ;)ホロホロ』
ひとみ『オロオロ』
ひとみ『わざと無視してる?怒』
ひとみは、佐賀県唐津市在住の彼女。未亡人。元ナース′。
趣味でやってたフリマサイトで知り合い、遠距離お付き合い中
『既読』がついたからには何かメッセージ入れないと殺される
義明『脳出血起こして入院した』
義明『左半身麻痺、体中ケーブルだらけエヴァみたいなぁ』
義明『病室にWi-Fi持ち込み無事な右手で打ってます』
『既読』『既読』『既読』
早っ。ひとみ からのメッセージ砲の集中砲火に身構える
ひとみ『大丈夫。?』
ひとみ『(TOT)』
ひとみ『今、電話ダメだよね』
義明『電話は、無理だろう。今、エヴァ状態。』
義明『ケーブル チューブが取れたら連絡する』
以下、長々とメッセージの応酬
ふっと思い出す。
入院して毎日見る 唐津湾の海難事故の夢。
日に日に鮮明になり、真実と思えてくる。
義明『変なん事をきくけど』
義明『1817年に唐津湾で大きな海難事故あったかか調べられる?確か、三毛猫丸とかって船。ほかにも、ガリオン船や小船がたくさん。』
既読
ひとみ『何それ?頭ぶつけた(笑)』
義明『ぶつけてないけど、血管切れた』
義明『疲れたから。一回休憩。』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます