第2話 魂の叫び悪夢
ピコン ピコン
シュー シュー
集中治療室は、機器の音が満ちていた。
夢を見た。
大空を飛んでいた。
眼下には海が湾が広がっている。灰色の海面 白波が泡だつ。
嵐の海のようだ。『唐津湾』何気に閃いた。何故だろう。
灰色の波間には船が何捜もただよっている。
そして、波に呑まれ消えて逝く。船が消え去った水面からは、蒼白い炎が天に昇る。私の横を蒼白い炎が過ぎ去る『助けてくれ』『死にたくない』『あかさん』蒼白い炎から声が聞こえる。
そうか、死者の魂が天に召されるんだ。
目を湾から陸に移すと、暴風雨に家々が押しつぶされ、蒼白い炎が立ち上っていた。
湾に目を戻す。
沈み逝く船の位置を何気に覚えていく。
湾の奥に船団が碇泊していた。
大型船そして左舷に一回り小さな船
その後ろに3隻の船
固まって風上に舳先を向けていた。
その沖合に大型船がいた。
かろうじて航行はしていたが、危うい動きである。
しばらく見ていると、沖合の大型船は、暴風雨に煽られバランスを崩した。
直後、岩礁にぶつかり真っ二つに船体は裂けて船首は瞬時に沈み、船尾は、湾の奥の船団目掛けて流れ出した。
蒼白い炎が上がる
私の横を過ぎる時、蒼白炎は
『おっかあ ごめん』『三毛猫屋さんすまん、よけてくれ』
そして、漂流した船尾は、船団につっこんだ。蒼白い炎が立ち上って、木片が舞い上がった。
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