空に捧げるうた

 幼い頃 翼が欲しかった

 この空の果てまで飛んでいきたかった

 あの雲の上に楽園があると信じてた


 ああ 鳥たちよ

 幸せの使者たちよ

 またあなたたちは飛び去っていく

 何もさえぎる物のないあの空へ


 崖の上に立って風を感じてた

 強い風は波をここまで届かせる

 遠くに見える幻の街並み

 憧れは光の翼をまとって空に溶けていく

 

 何もしないで 時間だけが過ぎて

 こうしている内にも季節は巡っていく

 昨日まで短かった影も今日はこんなに長い

 見上げるばかりの日々も終わりにしよう


 あの日飛ばした憧れや希望

 今頃は海の上で遭難しているだろう

 幻の景色ばかり追いかけて 足踏みばかりで

 風はいつも側で吹いていたのに


 澄み切った空に憧れていた

 世界中の全ての自由がそこにある気がした

 きっと何かになれると信じていた

 どこまで手を伸ばしても届かない場所


 空は今日も青く澄み切っている

 白い雲を泳がせて静かに笑うように

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