始まりの夜

 流れ星キラリ 東の空に燃えて散る

 星々みんな知らん振りして見てたね

 まだ夜が夜だった頃


 今夜もTVでは昨日の事を繰り返してる

 評論家が当たり障りのない事を喋ってる

 キャスターがディレクターの代弁をしてる


 ざわざわと木々が揺れて

 窓の外 暗い中で遠く音が逃げていく

 誰も気に留めず スポーツ中継に夢中で

 気が付いたのは退屈そうな犬やネコ


 大事な事が隠されている

 巧妙に慎重に誤魔化されてる

 誰も真実なんか望んじゃいない

 心地良い希望を小さじ一杯下さいな


 家々の灯りが消えていく

 星たちは変わらずキラめいている

 静かにソレは進行していく

 人工衛星がウソの情報を流してる


 まだ何も知らされない

 永遠にこの夜が明けない事を

 誰もが平和の夢を疑わずにいる

 風が止んだ事に気付きもせず


 月が笑っている

 紅い紅い月が

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