終末プログラム

 物言わぬ空気

 動くもの何一つなく

 音のない世界

 等身大のジオラマ

 時計の針を止めたのは


 ははっ こりゃ夢だ

 精巧にしつらえた幻想だ

 視点は遥か上空で

 体のない意識で

 どこから見ている


 生気が感じられない

 あの日何が起こったのか

 知らない その前に僕は

 もうそこには居なかった


 火の雨の降る光景を見ていた

 ものすごい地震が世界中を揺らした

 ものすごい津波が世界中を襲った

 少し小高い所で見ていた

 意識だけが見ていた

 誰も居ない街を見下ろしていた


 何が起こったのか分からない

 その前にここに居て何も出来ずに

 火の雨が世界中に降り注いでいく

 多くは叫び声を上げる間もなく


 そして意識はだんだんぼやけていく

 眩しい光が 世界を…


 全てを…

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