真夏の花

 抜けるような青空

 風が雲と遊んでる

 どこまでも貫いていく青


 グラスに注がれた水

 光の反射と揺らめく水面

 時間がゆっくりと溶け込んでいく


 木漏れ日揺れて今日は

 眩しいほどに何もない

 何もないと言う名の奇跡


 ねえ 木々たちは何が楽しいの?

 葉っぱを揺らして風と戯れるのが?

 根を張って地下水を飲み干すのが?

 小鳥たちをはべらせてお喋りを聞くのが?

 ねえ 黙って笑っていないでよ


 無口な車たちが道を走ってく

 あなたたちは楽しい所に向かっているの?

 それとも悲しい想いを忘れにいくの?

 その先にある未来を信じているの?


 頬杖をついて外ばかり眺めてる

 ガラスで仕切られた小さな温室で

 空になったグラスと呆けてる

 真夏の花がまだ咲いている

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