終末の夜

 ゆらり ゆらあり 炎はゆれる

 小さな 小さな 灯火が優しく辺りを照らしてる

 ずっと見ていても飽きないね

 ずっとずっと見ていたくなるね


 まるで無人島にたどり着いたみたい

 昨日までの世界は幻にとけて

 思い出の中の笑顔たちがまぶしくて


 あれほど荒れていた海も今は大人しくて

 静かにいつもの繰り返しを繰り返している

 行きかう船はなく ただ月が淡く照らすばかり


 遠くに見えるあの明かりは何だろう

 赤い 紅い 火の山が笑ってる

 かつて大きな船がいくつも行きかった


 小さな備えはすぐに尽きてしまうから

 風が穏やかな内にしっかり休んでおこう

 星たちの子守唄を聴きながら眠ろう


 遠い遠い昔に戻ったみたいな朝

 目覚めのうたうたう小鳥たちよ何処

 重い足を引きずり歩き出さなくちゃ

 ヒビ割れた道へ 裸足のままで


 誰かの声を聴くために

 誰かの笑顔を探しに

 重い足かせを少しでも軽くするために

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