自分だけの世界が出来た時 それがとても嬉しくて

 いつの間にか小さく狭い部屋に閉じこもっていた

 ひざを抱えてどこを見る

 世界の中心で孤独を楽しんでいるの


 扉は何のためにある

 そう それは閉じるため

 外からの攻撃を防ぐため


 閉じる 閉じる 閉じる

 全てを 世界を拒絶する

 自分の知らない領域を否定する

 しっかり扉に鍵をかけてそれを忘れて


 溜まった水はいつかよどむように

 逃げ場のない思いは心を侵してしまう

 耐え切れなくなった部屋でまだそれに気付かない


 扉は何のためにある

 そう それは開くため

 まだ見ぬ世界に希望を持って踏み出すため


 開いて 開いて 開いて

 そこに満ち溢れる眩しい光

 そこにある空は青くて

 まるで初めて見るような青さで


 流れる水はにごらないように

 日々移ろい行く世界の何と清らかな事だろう

 同じ流れの中では気付かなかった事が

 今は素直に心に響いてくるよ

 あの扉をノックしてくれたのは

 心のスペアキーを持つあなたなんだね


 ああ 風が眩しい

 今はそれがとても嬉しい

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