赤橙
天井近くで橙色がまたたいていた。小さく丸い光で、どうやらエアコンのランプだった。なにか故障かもしれない。もっと寒くならないと暖房はつけないし夏はとっくに終わった。毎晩うつ伏せに寝ていたので気づかなかった。
ランプは弱弱しく明滅しており夜間飛行を思わせた。布団に仰向けのわたしはサバンナでひっくり返ったけものだろうか。脛を噛まれたので逃げていた。飛行機は、広い夜空のあまりに高いところを飛んでいるため、くわえてわたしは死にかかっているため、止まって見えた。
噛まれたところが痛くて、毎晩、泣きながら眠っていたのだ。あのライオンのことは明日忘れる。かさぶたより赤い朝焼けに、飛行機もわたしも飛び込んでゆく。
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(299字)
#Twitter300字SS・お題「灯す」
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