青い夜

 クリスマス休暇なんだ、と叔父が言う。嘘をつけ。またバイトをくびになったのだ。試験休みのあたしが相手をしてあげなくてはひとりでデートも行かれない。

「誰かと行くからデートなんだろ」

「それって時代遅れ」

 カラオケなんて好きじゃないけど叔父の掠れ声は悪くない。あなたが私にくれたもの、洒落た贈り物がずらずら並ぶ古い歌をオクターブ下げてがなった。

「ほしいものある?」

 あたしたち、寒がりだからコートを着たままで、叔父の袖は毛玉だらけで白い。すかすかのギターの間奏。マイクのスイッチをいじりながら叔父が言う。

「逆転サヨナラ」

 まだそんなことを。でもバッティングセンターくらいはつきあうよ。プレゼントみたいに代打するよ。                        


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#Twitter300字ss・お題:贈り物

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