お昼には。

4時限目の終了を告げるチャイムが鳴った。

うちの学校は給食制なので、当番は物を取りに行かなければいけない。

とはいえエレベーターで各フロアへは運ばれるのだが。

ついでに牛乳も運んでくれたらいいのに...


1階へ降り、調理室の横の部屋に入る。

そして、おおきな冷蔵庫から牛乳を取り出す。

(軽いほうを選んだのは内緒だ...)


いつもと同じメンバー、同じようなトーンで喋る放送部員。

鮮やかなランチョンマットも特に色を持たない。

きゃあきゃあと他愛もない会話を繰り広げる隣のセーラー服...が急に話しかけてくる。

「ねえ、新名君もそう思うよね!」

やっべ。全然聞いてなかった。

ここは適当に流してしまおう。

「うん、そうだね。」

「ほら!新名君もそう思うってゆってんじゃん。やっぱ莉子が正しかったでしょ?」

...中二にもなって自分を名前呼びか。

いいか、お前のスペックはモブ以下だっ!

と叫んでやりたい。


こんなくだらない葛藤も含めて、今日も1日過ぎてゆく。


―――――

莉子ちゃんの「~ゆってんじゃん」

は、バカっぽさを出したかっただけです。


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