空き地

帰り道

帰りはあえて行きとも昨日の帰りとも違う道を通って帰る。

新しい発見があると思いたいのだ。

今日は最長コースをとおって帰ろう。

5時間授業だったので荷物が軽い。

堤防沿いを通り、緑地公園に入る。

そこにはまだ誰も手をつけていないような自然があって、大声ではしゃぐような馬鹿はいなくて。

「この前つぼみだったあれ、もう咲いたかな。」

緑地公園の隅、小さな花壇。そこには黄色い小さな花が咲いていた。

「よかった。無事にさいたんだな。」

いい香り。これであと少し週末までがんばれる気がした。

「ただいま」　と家の中に声をかける。

現在時刻は午後4時。当然のように返事はない。父も母も仕事で姉はバイトだ。

階段を上がり自室へ向かう。

今日は5時から塾だ。着替えてかばんをつかみ家を出た。