第12話 強力装備貸与!1

せとかの自己紹介が終わり、僕とせとかが自席に戻ると、今まで黙って自己紹介の様子を眺めていた諸星博士が口を開いた。

「さて、全員の自己紹介も無事済んだことだし、次は任務をこなしていくのに必要な貸与品関係の説明に入るよ。」と言いながら、テスター全員に一枚の紙を配っていき、続けてこう発言した「君たちには身体の安全と脱税犯に対する拘束力、加えて一人一人の障害をカバーするために、それぞれにパワードスーツを貸与する。」

不思議とせとかと初めて会った時ほどの驚きはなかった、まあ、ここまで高性能なアンドロイドを作り上げる博士のことだ、高性能パワードスーツが作れても不思議ではない。

「なお、障害の補助機能と常駐させるサポートAI以外の機能はほぼ全機共通なのだが、デザインの融通くらいはきくのでね、着用者の要望を聞いておこうと思ってね、灰谷君と御陵君には特にうれしい配慮だろう?」

と問いかけられ、僕もそして御陵君も素直に頷いた、

だってパワードスーツだよ?それだけでもオタク的にはワクワクするのに、それを自分好みのデザインで作ってくれるなんて、控えめに言って最高だろう、なんて粋な配慮なんだ。

「それと、パワードスーツとセットで貸与する護身用の武器も盾、棍、ブーメラン、トンファーから選んでくれ、すまないがこっちは銃刀法と政府と結んだ規定にそってこちらが用意する規定品を使ってくれ、各自記入が済んだら用紙を私に渡してくれ、渡し終えたら、あと各自の体のサイズなどスーツ製作に必要なもろもろの諸データを取ったら今日は解散だ、スーツと武器の実物受け渡しは2週間後になる。」

と諸星博士が語り終えた後、僕は一心不乱に要望書にスーツの要望を書き連ねていき、武器選択は自身の障害と好みに基づいて盾を選択した。途中、他二人に少し目を向けると、御陵君は僕同様、一心不乱に要望を記入しており、姉小路さんは時々考えながら記入しているようだった。その後僕たちはそれぞれ要望書を書き終え、もろもろの諸データを取られ、まだ見ぬ自らのスーツに思いをはせながら、その日は解散し、各自帰路に就いた。

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