第2話 出会い

そして時間は7月現在、序章の冒頭、彼女のセリフへと戻る。

「あんたがわたしのパートナー?」

目の前にいる○村・○ペンサー・○梨々に瓜二つな少女からかけられた声に僕はしばらく

まったく反応できなかったのだが、脳はフル稼働しており、様々な考えが巡っていた、例えば

「え、何、僕は今頭のおかしい人に絡まれてるのか、そもそもパートナーって何?」

「もしくは、僕の妄想癖がとうとう僕にとって最高に都合のいい白昼夢を見せるにまで至ったか?」

「細かいことはどうでもいい、〇梨々様が三次元に降臨なされた!! キタコレー!!!最高だろ!!!」

など、一部心の中のオタク的欲求がダダ漏れになってしまったものもあったが、深呼吸をして、よくよく思い返してみれば、4月に我が家に送られてきた胡散臭い封書の2枚目の手紙に僕の生活を補助してくれるアンドロイドを作るから、希望する容姿、性格、その他要望を細かく記載してくれというのに、「容姿は○村・○ペンサー・○梨々を参考にし、アニメの○梨々に可能な限り近づけてほしい、性格はアニメの〇梨々を基本にしつつ優しさと素直さプラスでお願いします。」と記入した覚えがある。ということは今、目の前に降臨なされた〇村・〇ペンサー・〇梨々は本当に僕の生活を補助してくれるアンドロイドだということなのか???、僕は頭のおかしな人だと思われるのを覚悟の上で目の前の少女に尋ねてみた。

「え~っと、僕の身勝手な考えが正しければ、君は僕の生活を補助してくれるアンドロイドでいいのかな?」

「ええ、そうよ、私はあなた、灰谷誠二の社会活動全般をサポートするために授与されたエターナルパートナー(EP)№3よ」

まさかの当たりだった…。当惑する僕をよそに、目の前の少女は平然とそう答えたのだった。

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