出会い(3)
さかのぼること高校受験日。
受験が終わり、私たち受験生は体育館に向かっていた。
私が受験した三日月学園、正確には私立三日月学園なんだけど。
この学校では受験日に合格発表の日がいつなのか、合格した後の心得など、様々なことがその集会で言われる。
正直、そういうのはプリントで配布してほしい。しかも合格後の心得って、もし高校受からなかったら聞く意味ないよね?
まあ、なにはともあれ受験生全員が体育館に入り、
どこの学校にでもあるようなパイプ椅子に座り集会が始まるまでまった。
数分後、三年生であろう生徒が司会を務め、集会を開始。
約20分後――
「次は、学園長の話です。学園長、ご登壇お願いします」
集会は順調に進んでいき、学園長の話になった。
学園長はその声により立ち上がり、歩き出した。
その後ろを一人の少女が歩いていた。髪は黒色で肌はとても白く透き通っている、美少女が。
そして、学園長とその少女はステージの上に上がり、少女は横にあった椅子に座り、学園長はマイクを手に取りあいさつを始める。
「えー、受験生の皆さんこんにちは、テストお疲れさまでした。
私はこの私立三日月学園の学長、三日月
そう、私が受験した三日月学園は、普通科、農業科、工業科、美術科、多くの学科が一つの高校にある珍しい学校なのだ。そして学校の敷地面積もとても広い。
これはこの高校が人気である一つの理由だ。
そして、学園長の姿が見えた時女子受験生が少しざわついた。
理由は、学園長の年齢はたしか35歳。そして、とてもイケメンだからだ。これもこの高校が人気である理由の一つである。
「また、本校は全国の様々なところから注目を集めています。ですので―――」
こうして学長の話が続いていった。
30分後――――。
「ですので、本校では――」
やばい、この人全然話が終わらない……。
今から言うことに、きっと全国の学生が共感してくれると思う。
それは、校長先生の話が長い、ということ。
それは十分承知の上で、大和学園長の話を聞いていた。
しかし、ここまで話が長いとは思っていなかった。寝ている人も数人いるし。
そしてついに私にも睡魔が襲ってくる。頑張って耐えようとしたが私は眠ってしまった。
「――みなさんこんにちは」
私はその一言で目が覚めた。
たぶん私以外に寝ていた人も全員目が覚めたであろう。なぜなら、その声があまりにも美しい声だったから。
「ただいまご紹介いただいた、三日月
この三日月学園の学園長の娘です。
年はみなさんと同い年です。よろしくお願いします」
へぇ~、あの美少女は紅葉っていう名前なんだ。
大和学園長の娘ってことは紅葉さんはこの高校に入るのかな?
そんなことを思っていると、紅葉さんは原稿用紙程度の大きさの紙を手に持ち、
話始めた。
「では、私からこの学校の校則について説明させていただきます。まず第一に――――」
すごい……。こんな大勢の前で堂々としゃべってる。
私だったら絶対無理だろうなぁ……
そう思ったと同時に、紅葉さんを高校生活での目標にしようと思った。
なぜかはわからない。でも、直感的にそう思ってしまった。
その後も、紅葉さんの美声をききながら、話を聞いた。
そして今。
あの時目標にした紅葉さんが、電話越しにいる。
どうしよう、すごい緊張する……。でも、黙っているわけにはいかない!
そう思い私は、勇気を出して声を出す。
「あ、あのもしもし。三日月さんです……か?」
「はいそうですけど、どちら様でしょうか?」
「あ、えっと、あの……んーと」
「はい?」
ただでさえ人見知りな私が、憧れの存在である紅葉さんとまともな会話ができるはずもなく、私は思うように声が出せなかった。
どうしよう!なんて言葉を言えばいいんだろう?まずこちらの自己紹介をするべき……?でも、いきなり自己紹介をするのは変?だったら――――!?
その時、何かに背中を触られた感じがした。
緊張しているときに触られた私はとても驚き、
「きゃっ!」
という声を出してしまった。私の悲鳴を聞いた紅葉さんも、
「えっ!? なに?どうしたの?」
と、驚いてしまった。
普通こんな電話来たら切るはずなのに切らないし、しかも電話越しの知らない人を心配してくれるなんていい人だなぁ。
と思いながら、私は後ろを振り向いて背中を触った人を確認する。
その犯人は、紅亜ちゃんだった。
わたしは電話を少し遠ざけ紅亜ちゃんに言う。
「紅亜ちゃん、今電話してるから急に背中を触らないで? びっくりするから」
「うん……でも――」
紅亜ちゃんが何かを言いかけた瞬間、
「紅亜!? あなた今、紅亜って言った?!」
急に電話からすごい大きな声が聞こえてきた。
「ひゃい! い、言いました!」
突然のことだったので変な声が出てしまった。
は、恥ずかしい……。
すると紅亜ちゃんが、
「ゆきなやぎ、変な声だした~」
と笑った。
やっぱり、紅亜ちゃんの笑顔はかわいいなぁ……。
「その笑い声、やっぱり紅亜でしょ?!」
また電話から大きな声が聞こえてきた。
私はその質問に答えるべく、電話に向かって声を出す。
「は、はい。この声は紅亜さんです。あの、紅亜さんと紅葉さんは何かご関係があるのですか?」
「関係あるに決まって――ん?どうしてあなたは私の名前を知っているの?まだ、名乗ってないはずなんだけど……?」
「えっと、それは……、も、紅葉さんが学校のステージの上で話をしたときの声を覚えて いるからです!」
「話……?」
「は、はい! 校則をたくさんしゃべってました!」
「あぁー。ということはあなた、もしかして三日月学園の受験生?」
「はい……そうです」
「ふーん。でも、そんなことより今は紅亜のこと!」
「はい!紅亜さんのことですね!?で、紅亜さんとはどのような関係があるのですか!?」
「紅亜は私の妹! 私たちは姉妹なの!」
姉妹……?
私の思考は少しの間、停止した。しかし、停止した脳は一つのことを思い出した瞬間にまた動き出す。
それは、紅亜ちゃんの名字である。
私はずっと、紅亜ちゃんって呼んでたから、紅亜ちゃんの名字が三日月であることをわすれていた。
それを思い出した瞬間、
「あ!確かに紅亜ちゃんと、紅葉さんは似てます!髪の色とか、肌の色とか」
と、電話に向かって言う。
私はあわてていたため、思い出したこととは全く違うことを言ってしまった。
「そこだけで判断するのはどうかと思うけど……」
紅葉さんのおっしゃるとおりです、はい。
「す、すいません……私の中のお二人はそこで一致したので」
「まぁいいわ、それよりあなた今どこにいるの?」
「じ、自分の家です……」
「家はどこにあるの?」
「えっと、公園の近くです」
「どこの公園?」
「あ、三日月学園から北の方へ歩いて15分程度の所にある公園です」
「あ~、あそこね。わかったわ。じゃあ今から向かうから、あなたは紅亜とその公園で待っててね」
紅葉さんは 公園に来て と、急に無茶なことを言い始めた。
だって、もう時間も遅いし風呂にも入っちゃったし……。
こ、断らなきゃ!
「い、今からですか……?」
「ええ、今からよ」
「で、でも、もう時間的に明日の方が――――」
「でも、あなた家にいるってことは紅亜は、あなたの家に上がってるってことね?だったら迷惑になるかもしれないから今から向かうわ」
「い、いえ、迷惑だなんて思ってないので大丈夫ですよ」
「あなたは大丈夫でも、もし紅亜が何かしたら責任取れないから今から行くわ」
「は、はい……?」
「じゃあ、あなたも紅亜と公園に向かってね?よろしくお願いします」
紅葉さんはそう言い、電話を切った。
私が断りの言葉を発する間もなく切ってしまったのだ。
困ったなぁ……。
「めぐみ?結局どうなったの?」
遠くから話を聞いていたお母さんが歩きながら聞いてきた。
「えっと、今から公園に行かないといけなくなっちゃった」
「公園?なんで?」
「それは――――」
私はお母さんに、紅亜ちゃんの事と、公園に行かなきゃいけない理由を話した。
「紅亜ちゃんってあそこの家の子だったのね~」
「うん、私もびっくりした」
「うん、お母さんもびっくりよ。あ、あと公園にはお母さんはついて行かないからね?」
「えっ!? なんで?」
「だって、めんどくさいじゃない」
「めんどくさいって……」
「そんなことより、もう公園に向かわなくちゃいけないんじゃない?」
「あ、そうだった! もう時間無いからお母さんは当てにしない!」
私はお母さんにそう言って、公園に行く準備をし始めた。
携帯をもって、パーカーを羽織って、紅亜ちゃんの手を握って、よし!準備完了!
すると紅亜ちゃんが、
「ゆきなやぎ~? なんでこうえんいくの~?」
と、かわいらしい声で質問してきた。
「ん? 紅亜ちゃんのお姉ちゃんに会いに行くんだよ」
「え~!?いやだ!」
紅亜ちゃんはなぜか紅葉さんに会うのを嫌がった。
普通なら、お姉ちゃんのもとへ帰れるから嬉しいはずなのに。
「なんで嫌なの?」
「だっておねえちゃんが、紅亜のおかしをかってにたべたんだもん!」
お菓子……?つまり、姉妹喧嘩ってこと?だから、紅亜ちゃんは家を飛び出して公園にいたのかな?
でも今はそんな推理をしている時間なんてないため、とりあえず私は紅亜ちゃんを説得する。
「でもね、紅亜ちゃん?お姉ちゃんは、紅亜ちゃんのことすごく心配してたよ?だから私と一緒に公園まで行こ?」
「あうぅ……、ゆきなやぎがいっしょなら紅亜も行く!」
「うん!ありがと、紅亜ちゃん!」
紅亜ちゃんは私と一緒なら公園に向かってくれると言ってくれた。
もう、このまま私の妹にしたい……。
しかしそんなことはできないため、その衝動を抑え、
今度こそ紅亜ちゃんと外にでた。
5分後――――。
私と紅亜ちゃんは公園についた。
やはり夜は少し肌寒い。
紅亜ちゃんが少し寒そうにしていたので、紅亜ちゃんに着せた小さなパーカーの、うさ耳が付いたフードをかぶせてあげた。
予想道理だ、かわいい!
そんなことを思いながら紅亜ちゃんの手を握っていると、車が近づいてくる音がした。そして公園の入り口の前で止まり、中から人らしき影が出てくる。暗くてよく見えない。
そしてその影は、こちらに向かって、すごいスピードで走ってきた。
なになに!?すごい怖い!!
でも、誰かはだいたい予想つくなぁ……。
私は、近づいてくる影におびえながら立っていた。
そして次の瞬間――、
「紅亜!どれだけ心配したと思っているの!?」
影は紅亜ちゃんに抱き着き大きな声を出した。
と、同時に私はその影の正体を認識する。
公園にある照明に照らされたその影は、やはり紅葉さんだった。
紅葉さんだと分かった私は、
「あ、紅葉さん」
と、言葉がこぼれる。
一方、抱き着かれた紅亜ちゃんはとういと、
「お、おねえちゃん……いたい……」
と、姉に嫌そうな顔で言う。
まあ、あのダッシュの勢いで抱き着かれたら痛いだろうからね……。
おまけに、力強く抱いているのが見ためでわかるし。
しかし紅葉さんは、そんな紅亜ちゃんの言葉なんて聞こえてないかのように、ずっと抱き着いている。
紅亜ちゃん、愛されてるなぁ。
そんな姉妹の様子を見ていた私の心の中で、
紅亜ちゃんの身内が見つかってよかった、という気持ちと、ここで紅亜ちゃんとお別れか……、という気持ちが重なった。
だから私は、ここにいるのが気まずくなり、帰ろうと公園の出口に向かって歩こうとした。
しかし、
「ゆきなやぎ~、どこいくの~?」
と、紅亜ちゃんが私を呼んだ。
振り返ると、紅葉さんから抜け出した紅亜ちゃんが小走りでこちらに向かってきていた。
また、紅亜ちゃんに抜け出され悲しそうにしながら、
「そうですよ、えっと……ゆきなやぎ?さん」
と、紅葉さんも言う。
紅亜ちゃんは今まで遊んでくれていた人が急にいなくなろうとして引き留めるのはわかるけど、なんで紅葉さんまで私を引き留めるのかな?
「えっと、く、紅亜ちゃんの身内の方が見つかったのでそろそろいいかな?と思ったので、そ、その、帰ろうと思いました。あ……あと私は、ゆ、雪柳……です」
私は、帰ろうと思った理由を話す。あと自己紹介もついでにしておく。
「あ、雪柳さんでしたのね。失礼しました」
「い、いえ、気にしてないので大丈夫です……。あ、あと、なんで私を引き留めたのですか?」
私を引き留めた理由が気になったので聞いてみる。
「それは、まだしっかりお礼をしてないので、お礼をしたいなとおもったからですよ」
お、お礼……?
紅葉さんって結構、律儀な人なのかなぁ?
「いえ、お礼なんて……いいですよ。ただ、紅亜ちゃんと遊んでただけですし……」
「でも、あなたが遊んでくれていなかったら、紅亜はいまごろどうなっていたかわからないですし、見方によっては保護してくれたという風にもなりますので」
「は、はぁ……?」
「まあ、なにはともあれしっかりお礼がしたいので、私の家に来ませんか?」
え……?紅葉さんの家に?
友達が少なかった私は、人に、家に来ない?って誘われたことなんてないから、
どういう言葉を言えばいいのかわからない。
で、でも、時間的にもう無理だよね?
「あ、あの、もう時間も時間ですし、お礼は無しで大丈夫です……。しかも、家に上がらせてもらうなんて失礼ですし……」
「失礼なんて、紅亜もあなたの家に上がったのでしょう?
だったらそれでお相子様ですよ」
「で、でも――――――」
「おねえちゃん、ゆきなやぎおうちにくるの?」
私は、紅亜ちゃんのその一言で、言いかけていた言葉を止めた。
紅亜ちゃんの表情的に、私が家に行くのを期待しているようだったから。
「紅亜?雪柳さん時間的に難しいかもしれないって言ってるから、家に来るのは無しになるかもしれないから期待はだめよ。むりに来させて逆に迷惑かけちゃうかもしれないから」
その紅葉さんの言葉で紅亜ちゃんが、暗い表情になってしまった。
私は、紅亜ちゃんのそんな表情を見たくない!
と、本能的に思ったので
「い、いえ!行かせてもらいます!」
と自然に言ってしまった。
「本当? 来てくれるの? 無茶はしなくていいのですよ?」
「は、はい!無茶なんてしてないので、だ、大丈夫です!」
「紅亜、雪柳さん来てくれるって!」
「ほんと?やったぁ!!」
紅亜ちゃんは私が行くと分かった瞬間とても明るい笑顔になった。
まるで、暗い公園をてらす照明のように。まあ、私には天使のように見えたんですけどね。
「では、あそこに停まっている車に乗ってください」
「あ、ちょっと待っててください。いま、親に連絡するので……」
「あ、どうぞ。電話が終わるまで待ってますから」
そう言われたので私はすこし離れ、お母さんに電話をかけた。
「もしもし、めぐみ? 今どこにいるの?」
お母さんはすぐに電話にでてくれた。
「えっと、まだ公園にいるんだけど」
「あら、そう。なるべく早く帰ってきなさいね」
「あ、あの……そのことなんだけど……」
「ん?何かあったの?」
「今から三日月さんの家に行くことになって……いいかな?」
「三日月さんの許可もらっるなら良いわよ」
「いいの!?」
「ええ、いいわよ」
「と、泊りになるかもしれないよ……?」
泊っていいとは紅葉さんに言われてないが、お母さんの心配が全く見られない態度に、イラっとしたためちょっと話を盛ってみた。
しかし、
「ええ、いいわよ」
という、一つ前と同じ言葉が返ってきた。
「ソ、ソウデスカ……」
「今、テレビ見てるから電話切るわよ。じゃあねめぐみ。おやすみ」
ガチャッ……。
その音とともにお母さんの声が切れた。
あ、あんな軽々しくOKがもらえるなんて……。
結構言葉を考えてから電話したけど、そんな必要はなかった。まあ、とりあえず許可も得たしこれで紅葉さんの家に行けるかな。
いけることが決まった私は、紅葉さんのもとまで走った。
そして、
「えっと、許可をもらったので、お、お手柔らかにお願いします……」
紅葉さんにそうお願いをした。
「お手柔らか……?よくわからないけど、許可がもらえたなら車に乗って。もう、紅亜は乗ったから」
「はい!」
「あと、さっきから思ってたんだけど、敬語を使うのやめない?なんだかんだあって打ち解けた気がするし、いつまでも敬語だったら堅苦しいじゃない?だから、友達だと思って普通でいいわよ」
「と、友達ですか……?」
「もしかして、嫌だった?」
「い、いえ!紅葉さんと友達になれて光栄です!よ、よろしくお願いします!」
「うん!よろしく!」
こうして私たちは友達になった。
友達になった紅葉さんと私は一緒に歩いて車に向かい、乗り込んだ。
「遅くなってごめんね、家までお願い。あ、あと、途中でコンビニあったらそこに寄って」
紅葉さんの掛け声で車は発進した。
すごいなぁ、メイドさんみたいな人がいるんだ。やっぱり、お金持ちの家は違うなぁ。
そんなことを思いながら、私は窓の外をみた。紅葉さんと、紅亜ちゃんの家ってどんなところだろう。きっと、豪邸なんだろうな。
三日月家を想像して私は一人で楽しんでいた。
そして、だんだんコンビニが近づいてきて、駐車場で停まった。
私も降りるべきかな?と思い、降りようとしたが紅葉さんが、
「紅亜と、雪柳さんは車の中で待ってて。すぐもどってくるから」
といって、メイドさんと紅葉さんだけでコンビニに入っていった。
暇になりそうだったので、私は紅亜ちゃんと話そうと思って紅亜ちゃんの方を向いた。すると、紅亜ちゃんは寝ていた。
うん。相変わらずの寝顔の可愛さ。
これは世界三大寝顔のうちの一つに入る!
……ちょっと自分でも何言ってるかわからない。
まあ、まだ幼いしこの時間に寝るのが当たり前だよね。
そんなことを思いながら私はまた、三日月家の想像をして一人で楽しんだ。
20分後――――。
メイドさんが大きな袋を二つ持ってコンビニから出てきた。そして、車に袋を置きエンジンをかけた。
しかし、まだ紅葉さんが戻ってきていない。
「あ、あの、紅葉さんは……?」
「紅葉お嬢様はお手洗いに行っておられます。少々お待ちを」
「あ、そうですか」
こうして、エンジン音だけが聞こえる車の中で紅葉さんが戻ってくるのを待った。
1分後――――。
紅葉さんが戻ってきた。
「ごめんね~、おそくなっちゃって。すぐに出発しよ。じゃあ、お願いします」
「かしこまりました」
こうして、また車が発進する。ついに、三日月家が見られるのか……。
私は、大きな期待と、緊張をもって車に揺られ、三日月家到着を待った――――。
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