vs風紀委員
ちひろ「はぁ、徹夜はしんどい...作業終えてまっすぐ学校きたけどもう2限かぁ...まぁ、保健室で寝てから授業にでも...」
???「ちょっと、あんた止まりなさい。」
ちひろ「げっ...」
校門前で待ち構えていたのは、小柄な少女。
風紀委員1年の
ちひろが自殺部隊に入れられる前のクラスメイトであり、ちひろのことを覚えている数少ない本校舎の人間である。
志張「啄木鳥くん、どこかに転科したって聞いてたけど、相変わらずサボり魔ですね。今何時だかわかってます?時計は読めますか?」
ちひろ「いや読めるわ!てか、あんたこそ授業中じゃないのかよ」
志張「ふん。風紀委員で絶賛指名手配中のあなたをとっ捕まえるためには一コマ分の欠席なんて大した痛手ではないです。さぁ、大人しく付いてきてもらいますよ。いままで欠席した分の反省文を書いてもらいます」
指名手配て。
内心げんなりしながらちひろは、しかし多少焦っていた。
ちひろ「(参ったな…実際こいつを巻くのは骨が折れる…先生の援護は頼めないし、旧校舎で勉強してるなんてこいつは信じないだろうし…)」
志張「ちなみに、逃げようなんて思わないでくださいね。風紀委員からあなたに対して発砲許可がでてます。サボりの魔王も今日ここで私という勇者に倒されます」
ちひろ「発砲許可て…」
志張「ご存知かと思われますけど、許可なく風紀委員に発砲した場合も処罰対象ですからね。さぁ、おとなしく--」
手を伸ばした志張の手を、ちひろは思い切り引っ張り抱き寄せた。
志張「なっ…!ちょっと!なにして、離しなさ--」
ちひろ「必殺!背負い投げ!」
ひょい。
志張「うぐぅ。」
ちひろ「悪いね!檻枷ちゃん!ぼくはこれで!」
小柄な少女を容赦なく地面に叩きつけてちひろは全力で逃走する。目指すは風紀委員管轄外の旧校舎。
志張「いたた……ふんっ。この位で逃げられると思わない事ね。A!B!目標は旧校舎方面に逃走中。足止めをしなさい!その間に私が先回りする!」
檻枷は無線機で他の風紀委員に連絡をした。
檻枷「(今日こそは…あなたを捕まえて次期委員長への道を確実なものとする!)」
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ちひろ「はぁ…はぁ…無駄に広いよなこの学校…とにもかくにも後ちょっとで旧校舎…いでぇっ!?」
旧校舎に向けて走っていたちひろは、突如受けた太ももの痛みに耐えかねてその場に倒れた。
ちひろ「いっっっ…てぇ…は?ゴム弾?まじ?」
--第2校舎屋上から風紀委員Aはほくそ笑んでいた。
風紀委員A「ふん…口ほどにもないなサボり魔王。次はコメカミに当てて気絶させる。」
学校から支給された狙撃銃を構えた男は再びスコープ越しにちひろをみる…が。
ちひろ「…あったま来た。誰敵に回してんのか分からせてやる」
アタッシュケースからソーコム遠距離型をとりだし素早く組み立てると、3倍固定ブースターで第2校舎屋上を見る。
風紀委員A「な、なぜこちらの位置が…」
ちひろ「ばーか。スコープが太陽反射してるっつーの。」
そして無音の射撃。
風紀委員A「な----」
彼の持つ狙撃銃のスコープは粉々に砕け散った。
風紀委員A「あいつ…じ、実弾ぶっぱなしやがった…」
2度と。啄木鳥ちひろに関わるのをやめようと彼は誓った。
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ちひろ「あーまだ痛む…」
さらに旧校舎方面へ走り出そうとしたちひろだが、ここではたと足を止めた。
ちひろ「(檻枷ちゃんの援護がいた…ってことは風紀委員はまだいるってことだよね)」
さらなる会敵を予想したちひろは、近くにあった花壇に身を隠しブースターで索敵をする。
するとやはり、先回りしたのであろう檻枷ともう1人、屈強そうな風紀委員が旧校舎の影に隠れていた。
ちひろ「(うわぁ……これはアレだな)」
カバンから円筒形の物体をふたつ取り出しながら、ちひろは固く決意した。
ちひろ「よし…!かえろう!」
チャフグレネードを2つ放り投げて、すぐさま駆け出す。グッバイ監視カメラ。と、心の中で呟いた。
すばやく旧校舎とは反対の裏門を目指して走り抜ける。宙を舞う銀片に風紀委員が気づくのは時間の問題だろう。
去り際、突如監視カメラの写りが悪くなり焦る用務員室にちひろは手を振る。
シュタイナ「…また彼のいたずらか…」
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風紀委員B「来ませんね、彼」
志張「えぇ…ん?」
檻枷は風に乗って飛んできた銀片に目を丸くする。
志張「チャフ……」
風紀委員B「…逃げられましたね………」
わなわなと震える拳を握って、檻枷志張は叫んだ。
志張「次は…次は絶対捕まえるんだからーーー!!」
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