化学準備室にて
夕暮れの科学準備室-----
へろりん「おや?ここは生徒立ち入り禁止…って、なんだ、君か」
「いやぁ、寝坊しちゃって」
今日も今日とて放課後に登校してきたちひろは、自殺部隊のミーティングまでの時間を科学室で潰すことにした。
へろりん「君はよくここに来るけど…そんなに面白いかい?この部屋」
「ぼくは好きですよ。薬品に囲まれた部屋はマダラカルトを思い出しますし、なんとなく落ち着きます。それにせんせーのM9見るのも好きですしね」
へろりん「ははは。まぁゆっくりして行ってよ。ビーカーで紅茶を淹れよう」
夕日が差し込む科学準備室はノスタルジーそのものでまるで世界から切り離されたこのような時間が過ぎていた。
へろりんは、この欠席常習犯遅刻魔が、とある『部隊』に所属しているのを知らない。
----知らない。が。
「紅茶ごちそうさまです。ぼくはそろそろ帰りますね。」
へろりん「わかった。気をつけて帰ってね。それと-----」
「?」
へろりん「"早起き"は、ほどほどにね。」
「!…………わかりました。」
へろりん「それじゃあね。僕があげた『科学室出入り許可証』無くさないでおくれよ」
「…はい。それじゃせんせ、さようなら」
科学準備室を後にしたちひろは、嫌な汗をかいていた。どこまで鋭いんだ、あの先公は、と。
夕暮れに照らされて、へろりん先生からもらった科学室出入り許可証が、妖しく光っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます