星のための終焉笛
私は座る
秘境に座る
不思議な現象が多く起こるここに座る
炎が舞い、氷が舞い、空気はキラキラ光る
精霊と妖精が踊り、鳥たちが賛美の歌を歌い、草木は宴を盛り上げる
ここは人間に見つかっていない秘境
この素晴らしき秘境がある星を、人間は壊し始める
中世界は生物を、現世界は星の肌を、未来世界は秩序を、壊す
私は特別な使命を受けている
それは、終焉笛を管理すること
この世を終わらせることの出来る笛を守ること
過去には私のほかに六柱の天使がそれぞれ一つずつ管理していて
今では私しか管理者が居なくなった
みんな、天使の羽を返上した家族
多分、私にすべてを押し付けて
地上のどこかの世界で暮らしてる
結局こう
私にみんな押し付ける
天使の地獄の窯が、煮えくり返る
こぼれないように、管理をするのも私
じゃないと、今すぐすべての笛を鳴らして
終焉に投げ込んでしまうから
この星は笑いながら泣く
楽しむけれど、同時に悲しむ
どちらも本音
でも私は悲しい
人は知らず知らずに星を苦しめる
『星に賛美を』と言っているけど
こころではどうも思っていない
誰かが入ろうとしている
空気が澄み、精霊たちは踊り、花が舞い、炎氷が舞う、素晴らしき秘境に
人に見つかると秘境ではなくなってしまう
そう思い、私は立ち上がる
天使の羽を、羽ばたかせ
星のための終焉笛を、懐に抱きながら
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます