中途採用さんのエピソード


 エリートさんVS中途採用さんで登場した中途採用さんと飲む機会があり、あれこれ話した。


 話題は入学したアメリカの大学について。


「どうしてアメリカの大学へ?」

「当時その大学に所属していた教授の授業を受けたくて」

「でも学費とか大変だったでしょう? 親が出してくれたんです?」

「いえ、ラスベガスのカジノでカウンティングして入学費と授業料(全期分)稼ぎました」

「ふぁっ!?」


 カウンティングとはトランプカードの札を全部覚えてどのカードが場に出て、山札には後何が入っているか記録するイカサマ。

 無論メモったり、撮影したりはNGで、バレれば注意から始まり、強制退去まであります。

 カジノ側もカウンティング防止に3~5デッキのカードをシャッフルしたりして覚えられないようにします。


 中途採用さんはそれをすべて暗記して、勝ちすぎないように気をつけながら学費を稼いだそうです。

 ちなみに本人曰く脳を働かせすぎて換金後に鼻血と目から血が出て、3日ほどひどい頭痛に襲われたそうです。


「入試も難しいのでは?」

「私が入った大学は一芸枠みたいなのがあって面接でラスベガスのカジノで学費全額稼ぎましたって言ったら採用されましたし、面接官担当だった教授が【僕もそれで入学日稼いだよ、懐かしいな】なんて言って盛り上がりました」


 中途採用さんは2年半で出席日数と単位を確保したそうです。

 天才というのは本当に発想の根底から違うなと思った。

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