第3話 終結 と 報告

骨くんのお陰で私とはぎれの家に集まった面々に今日あったことを報告する。

「……なるほど。それで殿はボロボロなわけね。」

はぎれが私の傷を消毒する。いつもと逆の光景にみんな頭を抱えている。

「こんなことは言いたくないが君がもし死んでいたらどうするつもりなんだい?」

重々しい口調で蟷螂先生が私を諌める。お怒りはもっともなので甘んじて受け入れよう。

「今日は本当に迂闊でした。ご心配とご迷惑をお掛けしたことを謝ります。すいませんでした。」

ただでさえ襲撃後で気が立っているなか余計な心配をかけたことは許されることではないと、私は珍しく頭を下げた。

「で、謝罪会見はそれぐらいでいいんだけど、報告すべき事は終わり?」

骨くんが早く帰りたそうに煽る。それは形を変えた慰めの言葉だろう。

「わかっていたことですが、あちらはエイレ教頭及び骨くんに異常な執着を持っています。また必ず狙われることでしょう。……強くなって勝ってくださいね、骨くん。」

私には珍しく感傷的ともとれる声が出る。私の雰囲気を察した蟷螂先生がその場を引き継ぎ臨時召集は終わった。




さすがに塞ぎ込んだ私を気遣ってか、はぎれは部屋にこもり私はベランダで外を眺めていた。

わかっていたことだが、私は自殺部隊のなかで圧倒的に“戦うための”武器がない。確かに私は衛生兵志望であり、一番最後まで生き残っていなければならない。つまり最前に立つことは許されない。

だがそれと、戦えないことは違う。

圧倒的な戦力差であっても機転を利かせられるには戦えるという基盤がなければならない。

「……もしもし、」

自殺部隊のなかにない戦い方を探すため、私はとある人に電話を掛けた。

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軽率な散歩の出会い...もといプリン 金魚殿 @Dono-Kingyo

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