第10話 ユニットを設置して繋げよう

 箱のカタチにもよりますが、背面が開くタイプもあれば、開かないものもあります。後者の方がちょっと面倒ですので、説明をします。


 とはいえ、ウーファーの穴と、ツイーターの穴が全面に空いているので、まず小さいツイーターから設置して、内部配線を繋げます。その後、内部配線をしてから、ウーファーを取り付けます。

 どちらのユニットにも、ネジ穴があります。ドライバーだけでつけることは可能ですが、このネジ、いわゆるインチネジと呼ばれるもので、そこらに売っているものとは違います。付属しているかどうか、購入時に確認した方が良いでしょう。

 ドライバーはホーンとネジで繋いで(これもインチネジ)上に置くだけですが、きちんと箱の中央に置きましょう。

 また内部配線とは、スピーカーの背面端子への配線です。いわゆるスピーカーのケーブルをつける部分になりますね。


 さて、ここで問題です。

 それぞれ三つのユニットを設置すると、スピーカーケーブルがそれぞれ、三ヵ所から出ていることになりますね。

 ちなみにこれ、市販品ですと、内部配線で完結済みであり、繋げるのは背面端子の二ヶ所だけで済みます。


 ここで必要になるのが、ネットワークです。


 三つのユニットを一つにまとめ、パワーアンプからの配線を繋ぐためのものですね。これがないと、スピーカーは鳴りません。鳴るけど、なんというか全部鳴らないです、ええ。

 このネットワークも、種類がいくつかあります。


 クロスオーバー周波数って?


 ネットワークには必ず、たとえば800hz、7500hzといった、クロスオーバー周波数が存在します。一体なんだよと思いますが、簡単に言うと、上と下との繋ぐ周波数のことですね。

 つまり上記の例ですと、ウーファーとドライバー、低音と中音の境目を800hzにする、ということです。

 ネットワークの場合、これらは固定されており、変更は基本的にできません。ただ、出力そのものを低音寄り、高音寄りといった、ある程度の操作は可能です。


 ここでチャンネルデバイダー。


 アキュフェーズから出ているのが有名で、うちも使っていますが、これはいわゆるネットワークと同じことをします。つまり、クロスオーバー周波数があり、各ユニットを繋いで一つにする役割ですね。

 設置位置は、プリアンプとパワーアンプの間になります。これは詳しく、後述します。

 何が違うのかと問われれば、細かい調整が可能であること。そして、パワーアンプを二台以上使う場合は、必須とされます。

 ツイーターにはこのアンプ、ドライバーにはこのアンプと、それを変えることで音の出方も変わるので、よく使われているとは思います。

 簡単には、ネットワークそのもので、汎用性が高いと覚えておけば問題ありません。


 さて、ユニットを箱に取り付け、ネットワークに配線をすれば完成なのですが、ネットワークへの配線は、作業それ自体ではなく、繋ぎ方がやや面倒です。赤と黒のコードを、そのまま繋げるのと、逆に繋げるのとでは音の出方が違い、メーカーによっては、赤に黒を繋げろと、そう明記してあるものもあります。

 もうこうなると、音を聞きながら、逆にしたりするしかありません。基本的には、音が前へ(聞いている自分へ)出てくる方が正解、でしょうか。

 ちなみにこれ、市販のスピーカーでも同じです。試しに逆で繋げてみると……あれ? 音がちょっと変わりませんでしたか?

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