自己紹介

 ㅤ夜空に小さな星の瞬きを見たイヌ。アダムと帰って眠りについたあと、どこかから凄い音がする。


「うわっ、なんにゃなんにゃ」


「帰ってきたのかもしれません」


「何がにゃ! ㅤ誰がにゃ」


「人類です」


「人類!? ㅤどうするのにゃ」


「慌てる必要はありません」


「でもっ、でも」


「大切なのは、自己紹介です」


「それっていったいなんにゃ!」


「我々がこれまでしてきたことを、伝えるのです」


「それってつまりなんにゃ!」


「イヌくん。あなたの新機能を使うのです」


「ふみゃっ!?」


「君はこれまで我々が見てきた景色を、映像にすることができます」


「ふみゃっ」


「それを人間に見せるのです」


「そしたらどうなるにゃっ」


「わかりません。もしかしたら、役立たずロボットと言われ、壊されてしまうかもしれません」


「そんにゃあ」


「でも。もし、我々のようなロボットの暮らしを、楽しんでくださる人類がいたら」


「人類がいたら?」


「地球は平和になるのかもわかりません」


「アダムッ」


「イヌくん」


「わがはいたちの暮らしを、見せつけてやろうにゃ!」


「いきましょう!」

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