アイリス

「花ですね」


「ハナ?」


「紫色で、美しい」


「ふみゃあ」


「花言葉は、希望、良き便り」


「ふみゃあ」


「博士のお墓前に咲くなんて。弟子のタネが芽吹いたのですかね」


「ちょっと、ひとり先走らないでほしいにゃ」


「すみません。今更ですが、博士の弟子がワタクシに伝えた、データを送ります」


 ㅤアダムがイヌと手(足)を繋ぐ。


「弟子は、博士の命令に背きながらも、博士を想っていたのにゃね」


「博士は人を恨んでいるようでした。ですから、こんなロボ二体を開発させるつもりはなかったでしょうけど……」


「こんなロボで、よかったと思うにゃ」


「はい。そうですね」


「にゃんだか、野球がしたくなったにゃ」


「おおっ」


「楽しく争ってみようにゃ」


「負けませんよ」

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