第5話 ダイス! ダイス! ダイス!

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 【1D11:9】



1 斬城刀・一文字斬り 2 乱れ雪月花 3 鋼鉄の壁 4 鉄の城 5 オラに元気を分けてくれ 6 メガンテ 7 遊ぶ 8 民家に入ってタンスを漁っても許される


→ 9 \ ノービス テレレレレッテッテーン/ ←


 10 H&K PSG1召喚 11 催眠術


「タカハシー、お待ちかねのチートですぞー」


「ちょっと意味解かんないです」


 未だ怒りと悲しみに暮れるタカハシであったがそれを告げられると一瞬で熱が冷めたようで、突き返すように両手の平を向け首を三度程振った。


「ノービス。初心者って意味だぁねー」


 novice。タカハシが元居た世界の言語で言う所のスポーツ分野に置ける、一定の基準に達しない初心者を指す言葉である。


「つまり好意的に要約するとー、これから何にでもなれるって意味だよー」


「む……な、成程?

 待て。今にって言ったよね?


「まぁまぁ、それも全てはこれからの君次第って意味なのだよ」


「でもこれのドコがチートなんだ?」


「そうだね、例えば――魔王に弟子入りしたら魔王になれるくらい?」


「なにそれ怖い」


 とは言っても現状に置いてタカハシの能力が現状ゼロな事には変わりは無かった。無限の可能性を示されはしたものの、それは結局の所蓋を開けない限り観測出来ないシュレディンガーの猫なのだ。


 ただ、チートはチートに間違いはない。

 それは約束であり盟約である。それは、可能性の限界を取り除く運命の開始地点の名前。タカハシが限界を認識しない限りに置いて、どこまでも切り開ける、運命に対するドリル無限力である。


「――だと、いいよね」


「ん? 何か言った?」


「いやー、何でもー?

 ささ、粗方決まったし参りましょうぞー、いい加減物語を進めないとねぇ」


「いや待って。話をドンドコドンと進めようとしないで! 職業今からチェンジ出来ませんか!?」


「むぅー↓りぃー↑」


「どっかの前衛的ゲームハード会社セーガーみたく言うな! そこをなんとか!!」


「アノ……東の大陸に有るザーマス神殿で転職は出来マスヨ?」


「ささ、れっつらごーですぞー」


 言うが早いか、ロキはタカハシの首根っこを掴むとその細腕にあるまじき剛力でタカハシを強制移動にかかった。

 いい加減文字数20,000字がヤヴァいのである。


「待って! 今サラっと重要な情報が! 待ってぇ!!」


 しかしタカハシの願い虚しく、映像にはカットエフェクトが差し込まれるのだ。画面右からカーテンがかけられ、タカハシの魂の懇願にはミュートエフェクト。祈りはエコー処理にかけられながら掻き消えていった。



 カーテンが幕を開ける。


 目の前にはどこまでも雄大に広がる草原。日も中天を過ぎ、日差しが落ち着きを見せ始めている。見渡す地平線には陽炎が如く緑が続いているが、しかし気温はそれ程高くない。


「で、コイツを鍛えてヤればいいんだな? アァン?」


 傍らには程よく引き締まった肉体美を誇る禿頭とくとうの偉丈夫が立っている。

 真紅のブレストプレートにガントレットとレガースという軽戦士スタイルで、手にはハチェットとラウンドシールドを装備している。


 冒険系の戦士で、名をビリーと言った。


 ここで言う戦士とは謂わば剣を用いない前衛戦闘職を指す。とは言えその出自は戦時下に置ける傭兵であり、武器を選ばない者の総称とも言えた。総じて自由を好む者が多く、あらゆる戦闘に長けた存在と言えるだろう。冒険の時代に移り変わった今でも稼ぎ方を変えただけで、古くから戦い続けていた実力者は多い。彼らの中で名を馳せた、バーサーカーやフィアーナイト等と、現代の上級職としてその二つ名を残す者も多い。


「はいー、何分始めての戦闘なのでー、思う存分ヤーっちゃって下さいなー」


 彼は冒険者ギルドにて仕事を探していた彼にロキが声をかけるなり、ホイホイ付いて来てしまう後輩育成に余念のないナイスガイでもある。


「不安しか無いです」


「HAHA、だらしねぇな、トゥィントゥィン付いてんのかぁ?」


 これから始まる始めての戦闘に、すっかりタカハシは絶望の未来を想像して項垂れている。凡そ貧弱を絵に書いた能力を持って、彼はモンスターと組んず解れつしなければならないのだ。そんなタカハシの尻を、ビリーは白い歯の見えるスマイルで二回ほど小気味よく音を立て叩いた。


「で、そういえばお前武器エモノはドコだ? ン?」


「言われてみれば……ロキさんっ!?」


 冒険者ギルドから真っ直ぐやってきたタカハシたちである。無論武器屋には寄っていない。つまり転生時に身に付けていた衣服以外、タカハシは丸裸であった。


「んな事言われても、お金無いもの。――はいこれ」


 カメラは草原を見下ろし、何かを探すように彷徨うと、やがてを見つけた。伸びるロキの手が握り、流れる動作でソレをタカハシに突き出す。


「なぁにこれぇ」


「何って、ひのきの棒」


「只の棒きれじゃねぇか!」


「最初の武器ったらコレでしょう。お金を貯めて武器を買い換えるのも楽しみの一つですぞー? 目指せアイスソード」


 とりあえずは受け取るタカハシであったが、どう見てもそれは炉端に転がる枝木で、色合いといいひのきには程遠い。ショートソード程の長さで、先端には僅かにコゲが残っており、恐らくそれは松明だったものである。


「いやせめてもうちょっとこう、武器的なものを」


「どれ……嗚呼、これは、ダメだ。数回殴ったら折れちまうぞ」


「デスヨネー。というかロキこの野郎! いや、この場合スケか。まぁどっちでもいい! 俺は地道な努力がしたいんじゃない! 無双してぇんですよ!

 それがどうだ!? 能力は種切れマッハな後衛タイプだわチート能力は意味わかんねぇわ、職業は戦士なんて地味しょグハン!」


 最後の言葉は、ビリーの「言わせねぇ」という強固な意思によって阻まれる。具体的に言うと玉を握られた。


「アーハン?」


 コネコネと弄ばれ、タカハシにはそれ以上言葉を発する事が出来ない。


「ふぅむ、最近の流行りはそうなのかい? 苦難を乗り越え血と汗と涙でお宝ゲットの大冒険はニーズではない? 鉄風雷火の限りを尽くし三千世界の鴉を殺す嵐の様な闘争はお望みでないと?」


「おこと……わアハンッ」


「アー、何を言ってるのかサッパリだが、まぁせめてマトモな武器がねぇと始まらねぇっぞ?」


 タカハシの命を握る腕をぐいんっ↑と持ち上げ、ビリーは言う。


 所謂始めの街と言うポジションであろう平原であるが、如何せんタカハシの能力で最弱武器は無理があろうと言うものだ。


 ロキは顎に手を当て思案すると、


「ふぅむ……では仕方ないね。よろしい、ならばダイスだ」


 下準備を吹き飛ばしおもむろにダイスを振った。


 1      現代武器

 4・9    何か厄いの

 その他偶数 普通の近接武器(片手)

 その他奇数 普通の近接武器(両手)

 10     熱烈歓迎


 1D10


 ttp://bulkyaruo.sakura.ne.jp/test/read.cgi/BUL/1406215094/2277


 【1D10:4】 → 何か厄いの ←


「ふむ。ではどう厄いのかね? ダイス君」


「待って! それ所謂呪いのウッフンっ!」


「まぁまぁ、強大な力にリスクは付き物だからねぇ。さぁ早速募集といこうじゃないか」


「頼みマス! まじで頼みますからマトモな武器をぉおおおおおおおおおおおおいっくううううううううううん」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 今回はまずぶん投げます。

 無ければ私の邪眼サードアイ開放アウェイクンして、常闇ダークネスより、数多の精霊をインフェニティスピリッツ殺し尽くし、絶望の悲鳴イービルスクリーム凝縮コンセントレイトしたイマジナリー鍛えたスミス神をも惨殺せしめん力ゴッドイーターの象徴を闇飲まします闇に飲まれよ

 



 


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