第4話 貴方はエッチです それも相当です

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 【1D12:2】


 1 剣士


→2 \ 戦士 / パンパカパーン


 3 魔法使い 4 遊び人 5 盗賊 6 ノービス 7 勇者 8 アサシン 9 ニート 10 熱烈歓迎 11 全裸DE忍者 12 ラストサムライ 


「という訳でビキニアーマーでお願いしますぞー」


 ロキはダイスの目を確認するとすかさずカウンターの女性に歩み寄り、ぐぐいっとカメラを谷間にズームイン。Yの時を形作る高くそびえる双子の巨峰チョモランマに、ぐいと、ぐぐいと寄せていく。


「ちょっと待って! ビキニアーマーは何か色々違う! そして何か増えてたよね今!?」


 画面外で引き続き取り乱すタカハシのクレームは勢いが衰える事を知らない。

 流石に寄せすぎたのか、女性の手により押しのけられるカメラ。画面一杯に手の平が覆う。


 動画ではチラホラと芽吹いてきたコメントが、「偽乳特戦隊」だ「飲み込んで僕のエスカリボルグ」だの、持て余すリビドーを遺憾なく画面の向こうで解き放つ間近であった。中には「タカハシをイジメて悶える姿にhshsしたい」等と極まった発言も現れる始末である。


「何かねタカハシ。

 それとも折角の参加コメだ、二つの内どちらかにしても良いのだぞー?」


 手の平で覆われては動画にならない。カメラはくるりと回り、ピョコピョコと腕を上下するタカハシに向けられる。


 その向こうに映る衆目は、どうも繰り広げられる喜劇に興味を示したようで小さな木樽のジョッキを片手ににやけ顔でこちらを注視していた。


「う……ん? ――忍者は解る。だが全裸って書いてあるのは何でだよ」


「知らないのかねタカハシ、忍者は防具をクロスアウッする事でACが減少するのだよー」


「ACって何だ!?

 まぁ良い、んじゃ侍だ! ラストの部分が気になるけど」


「側頭部残して毛根を絶滅させるー」


「発毛前線が最終回じゃねぇか!」


 ああ言えばこう言うが如し。恐らくロキの胸中には尽くタカハシを玩具にするプランが溢れんばかりに寿司詰まっているようだ。


「あの、それで結局如何致しますか?」


 痺れを切らした職員の女性が決定を催促する。

 かれこれ半刻近くも食事を中断させられた挙句、茶番を繰り広げられ、いい加減笑顔を形作る表情筋にも我慢の限界が訪れてきているのか、彼女の口角はやや引きつりを見せていた。



 結局はダイスに従うというのが刻まれたルールである。

 下手に抗議してもロクな結果にはならないと悟ったのか、タカハシも諦めるように了承をした。


 巨乳の女性職員に代わり小柄な職員に連れられ、二人は現在少し進んだ別室に通されていた。

 タカハシの胸程の背丈に、しかしながら確かに実った果実。赤みがかった栗毛を左右でアップし、そばかすと八重歯の魅力的な可愛らしい女性であった。

 KOUBEYA・Styleのエプロンが更に主張すべきポイントにアクセントを醸し出すその姿に、タカハシは終始夢中無言である。

 


「ではこちらで適正のチェックを行いまス。これは冒険者登録の要項に記載される情報で、依頼の受注可否にも使われるものデス」


 画面はどこぞの卓上を映し出し、そこには例によって広げられた紙に、今正にロキが数項目を書き連ねているところであった。


「これからこのテーブルの上の盆に手をかざし、集中して頂きまス。すると貴方の能力がこちらで把握が可能となり、また隠れた才能などを見つける事も出来るのデス」


 紙には 生命力 魔力容量 筋力 敏捷 集中 魔力 知性 精神力 1D100 特殊能力有無 1D2 と書き連ねられており、それぞれの項目の脇には追加で記入する為のスペースが設けられていた。


「よし、と」


 羽ペンを脇に置くと、そうしてロキは手の平に乗った9つのダイスをカメラインさせ、振るった。


 ttp://bulkyaruo.sakura.ne.jp/test/read.cgi/BUL/1406215094/2274


 【8D100:407(54+24+22+18+43+76+72+98)】

 【1D2:1】


「あっ」


 思わずそう口に出た。


 が、出てしまったものは仕方がない。今この瞬間、タカハシの能力は決定されたのだ。


 戦士タカハシ

 項目   評価    コメント


 生命力  ☆☆☆   最前線に出てはいけまセン

 魔力容量 ☆     諦めマショウ

 筋力   ☆     強く生きて下サイ

 敏捷   ☆     接敵してはいけまセン

 集中   ☆☆    真面目に生きて下サイ

 魔力   ☆☆☆☆  世界トップクラスの才能デス

 知性   ☆☆☆☆  貴方に知り得ない事は少ない筈デス

 精神力  ☆☆☆☆☆ 間違っても無念の死を遂げてはなりまセン

     (MAX☆五)

 特殊能力 有


 爆裂魔法かな?


「ま、まぁ仕方ないねー」


 続いて新たな紙を取り出し書き連ねていく。


「では、始めます。手を翳して下サイ。――目を閉じて、暗闇の中の一点に集中ヲ」


 画面の背後に何やら光が溢れ出している。赤から始まる、8色になる輝き。


「ハイ、結果がこちらになりマス」


「………………んな、なんじゃこりゃああああああああああああ!!」


「ふんふふーん」


 絶叫するタカハシを丸っと無視し、カメラは眼下、書き連ねられていく項目を映し続ける。「特殊能力をアンコ」と題され、十個程が上げられていた。


1 斬城刀・一文字斬り 2 乱れ雪月花 3 鋼鉄の壁 4 鉄の城 5 オラに元気を分けてくれ 6 メガンテ 7 遊ぶ 8 民家に入ってタンスを漁っても許される 9 ノービス 10 H&K PSG1召喚


 内容は上記の通りとなった。


「お、お客サマお気を確かニ!」


「ロキさぁん! ロキさんこれ無理! 僕戦士とか無理なんですけどおおおおお!」


 タカハシが絶叫し、途端映像がガックンガックン上下に揺さぶられ、その日の投稿は幕を降ろした。


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次回ダイス 本日22時 予定












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