エントロピー反転円境界線+-0メートル、オン・ザ・ライン
ここで、もう一回大きな方針転換が図られた。陸自の完全防備の対生物化学兵器のスペシャリスト化学科と自衛隊最強の部隊であるレンジャー部隊が名乗りをあげた。
二つの作戦は同時に行われた。
ひょっとすると、同時多発的な侵入にこの境界線は対応出来ないかもしれないと、アドバイザーとして参加していた馬鹿などこかの駅弁大学の教授が進言したからだ。
時差を付けても同時でも結果はそう違わなかっただろう。
全身を防護したスーツに身を包んだ化学科も帰ってこなかったし、レンジャー部隊も二度に渡り、一度は、化学科と同時に、そして第二陣としてレンジャー部隊お得意の夜陰に紛れての夜間単独長距離突入を敢行するも、帰ってこなかった。
そのころ、一通のEメールが官邸にとどく。
官邸に詰めていた日本国の中枢の全員が、小さな国産のCPUは米国製のラップトップのPCの15インチの画面に傾注した。
そこには、富士林教授のEメールアドレスで届いた、Eメールが開かれていた。
日本の中枢がたった15インチ内の画面に注目していた。
内容は、シンプル極まりなく、スイスの某銀行の某口座への多額の金額の振込みが要求されていた。
官邸の全員が怒りに震え、官邸にあるいくつもの耐久消耗品の耐久の文字が取り外される結果となった。
そして富士林教授の一番弟子の国立岐阜大学准教授
和才は、頭から正確には顔から、入るか、足から入るか、腕から入るか迷っていた。GPSは10センチ単位の誤差で位置を教えてくれる。
もうエントロピー反転円境界線は、そこというより、ここだった。
「おれは、捨て駒じゃないぞっ」
和才は、叫んでいた。
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