episode9 「刺客」
自分でもこれがどういう感情なのか理解出来なかった。戦場で殺し合いは何度も見てきた。そこでは相手を殺すこと、生き残ることしか考えない。形は違うが、目の前で見た事もただの殺し合いだ。
それなのに、これは何だ。
頬を伝う涙に手を添える。俺は感動しているのか。
泣いている者は彼ひとりではなかった。
「俺の槍はあんなに凄いのか」
ラザンがつぶやく。
長年使い慣れた武器が優雅に舞い、あれ程の力を発揮するとは。自分の目を疑った。本当に同じ槍なのか。まるで神器のようだった。
スレイは、何か言いたいがこの場に合う言葉が思いつかなかった。
北に棲むノマ。オオカミに似た姿の『ハイオカ』は、人に近い知能と脅威的な身体能力を持っている。
旅人のあいだで、ハイオカについての教訓がある。
ハイオカと、三匹出会えばお祈りを
祈るしかないそうだ。それだけ生存率が低いと言われている。
では、目の前で起きた出来事は何なのだろう。
キースは、赤ではない血糊を払い、刀を鞘に収めた。
振り返る。
「増援が来るかもしれない。先を急ごう」
ラザンの槍を拾い上げ、荷馬車に近づく。
今になって思う。こんな状況で馬が暴れなかったのは、本能的に分かっていたのかもしれない。
この結末を。
キースが全てのハイオカを倒すことを。
少し時間をさかのぼる。
山賊たちは、拘束を外されたが動かなかった。すでに逃げ場は無かった。
彼らは囲まれていた。
見たこともない数のハイオカが唸り声を上げていた。プレ・コアの欠片があるお陰で近づけないことは分かっている。それでもこの数を見ると、怖くて身体が勝手に震えてしまう。
「壮観だな」
ラザンが言った。
クラナが彼のそばにやって来た。
「どこまで行くんだろ」
キースのことである。彼女は歩みを止めず離れていく。ためらいは無い。襲われるために向かっているようだった。
ハイオカの声が変わった。何かを話し合っているようだ。
キースの歩く方へ集まって来た。
「ちょっと、助けに行かないとヤバいんじゃない」
向かおうとするクラナをラザンが止める。
「お前がいないとみんなが襲われる。それに、主様にお前を守れと言われた。ここにいろ」
これ以上近づく事はない。このまま山を降りれば、やがてハイオカの方から離れていくだろう。それなのに、キースは自ら群れの中へ進んでいった。
あの少年が関わっているかもしれないから。
キースはハイオカの群れに囲まれた。
威嚇の唸り声。今にも飛びかかりそうな勢いだ。
「お前たちは誰の命令で動いている?」
言葉を話せない魔物たちに問いかける。
答えはない。
キースが矢筒に手を伸ばしたのと、襲いかかったのが、ほとんど同時だった。
背後から飛びかかったハイオカをかわして矢を射つ。
見事にハイオカの頭を貫く。
正面から。
二射目が顔面に当たり、短い苦鳴をあげて倒れるハイオカ。
キースの手は止まることなく矢を放つ。軽く射っているだけなのに、矢はハイオカの急所を貫いた。
外れた矢は一本も無かった。
どこから飛びかかろうと、キースにたどり着くハイオカはいなかった。軽くかわされ、矢が身体を貫いた。
矢筒が空になる。キースは矢と矢筒を捨てた。ここぞとばかり、ハイオカが襲いかかる。鋭い牙が目の前まで迫る。
キースは足元に横たえたものを、片足で蹴り上げた。
噛み付くはずの牙が、長い棒の端で砕かれた。キースの手にはラザンの槍があった。
首と肩を支点に、自分の背より長い槍が回転する。
槍は接近戦には弱い。それを知っているのか、ハイオカは飛びつく間合いを取っている。前後左右、同時に襲えば防げまい。
ハイオカが飛びかかった瞬間、キースは槍を持つ手に力を込めた。
一気に回転力が増す。
痛みなど感じない間に首が飛んだ。
信じられない速さで回転する槍が、次々とハイオカの首を、脚を斬り飛ばした。
死角の襲撃をどうやって回避しているのか。
見えない方向からの襲撃をかわし、遠心力で加速した槍が首を飛ばす。力強い動きのなかに、優雅さを感じる。
まるで踊っているような足さばき。
離れた相手を突き刺す攻撃に特化した槍。これだけの数に対するには、今のやり方が正解だろう。
ただの殺し合いだ。それなのに、この湧き上がる感情は何だ。
キースの華麗な槍さばきを美しいと感じてしまう。身体の震えが止まり、手足のように動く槍と宙を舞うハイオカの首から目が離せない。
ハイオカが三匹、槍に食いついた。
キースの手はすでに右腰の刀にかけられていた。槍が地面に落下するまでに抜刀。三匹のハイオカは胴体を両断された。
絶妙な角度と振り速度が、不可能を可能に変える。
近接攻撃しかできない刀で、多勢と戦うのは不利だ。それを補うのは、素早い動きと的確な刀の振り。
襲ってきた相手全てを斬る必要はない。確実に捉えられる相手だけ狙う。
目で追えない程素早い動きではない。
相手の動きを予測して、少し早く行動しているだけ。
もうキースを囲むほどのハイオカは残っていなかった。
刀を持った彼女と、五匹のハイオカが向かい合っていた。襲ってくる気配はない。キースを睨みつけながら、何かを探っているような動き。
「お前もロズの仲間か?」
キースが問う。
ハイオカの動きが止まった。一匹だけ毛の色が違う。光沢のある銀色。そいつだけがキースに近づいた。
『興味深いな。俺の事が判るのか』
言葉を話したのではなく、直接頭の中で声が響いた。
「なぜ私を狙う? 成功例とはどういう意味だ?」
キースが銀毛のハイオカに問う。
『ロズに会えば全て分かる。会えれば、な』
ハイオカたちが走り出した。
銀毛のハイオカも。
遠ざかる姿を見ながら、刀を鞘に収める。振り返って荷馬車の方へ歩き出す。
「増援が来るかもしれない。先を急ごう」
とひと言。
山賊たちが泣いている理由も、スレイやラザンが呆然と立っているものお構いなしだ。クラナなどは今にも抱きつきそうな様子だ。
「あらためて思ったが、キース様の強さは我々とは別物だな」
スレイが言った。
「小さな身体のどこにあんな力があるのでしょう」
ラザンが返す。
前方にキースとクラナの乗った馬が並んでいた。楽しそうに会話する姿は、普通の少女にしか見えない。
高原を緩やかに下る。
白い岩が消え、草木の長さも背丈くらいになってきた。この森を抜けると次の宿場街が見えてくる。
日中だが気温は低い。日が傾けばさらに寒くなる。
一年を通して気温の変化が少ないルコスと違って、ロカ山脈を越えた東側は朝と夜の差が激しい。寒さに弱いクラナは(寒さだけではないが)、スレイたちが用意した厚手の上着を着込む。
キースの戦いぶりを見てから、山賊たちはおとなしくしていた。拘束は外したままだが、逃げる様子もない。荷馬車を操る頭領も、キースたちに次の街の説明をしたりしている。表情が固いのは緊張のせいだろうか。
宿場街、サラブ。
ゴルゴルまでの道のりの中で、最も大きな街。東西の文化が入り混じった、異国情緒のある街だ。見慣れぬ肌の色。細かな刺繍が入った衣装。キースが着ている民族衣装とは、また違った風合いだ。
キース一行を見て、街の者たちがざわつく。無理もない。荷馬車には山賊たちが乗っているのだから。
山賊の頭領が操る荷馬車は、まっすぐ公安の建物に向かっていた。
誰かに呼ばれた気がした。
鍛冶道具を持ったまま誰もいない後ろを振り返る。人は年令を重ねてくると、感情表現が減ってくるそうだ。滅多な事では驚かないし、泣くことも少なくなってくる。
サリュゲンは身体の変調に戸惑っていた。
胸が高鳴り呼吸が早い。やや興奮ぎみ。自分で感情が制御できない。愛しい人を想っているわけではない。彼の頭に浮かぶのは、あの『名前の無い刀』。誰かが彼に話しかける。
もうすぐ会える、と。
戦争が終わり、ドガイの内乱も落ち着いてきた。武器職人の仕事は少ない。食べるためには選んでいられない。
倉庫からいくつか持ち出した。荷台のほとんどは農耕具だ。街ではよく売れる。簡単な修理ができるように鍛冶道具も乗せる。
朝もやのなか、ナックが白い息を吐いた。
「それも持って行くのか?」
彼の問いに返事はない。
サリュゲンは布で包んだ長細い物を持っていた。
荷台に馬をつないだ。これから街の中心へ向かう。デワンは職人の街。食べ物だけでなく多くの職人が店を開いている。
「今日は出会える気がする」
出発前にサリュゲンが言った。
ナックは嘆息する。異性との素敵な出会いを期待しているのか、と思ってしまう笑顔。年を考えろと言いたくなる。でも実際は違う。彼は十年かけて完成した刀の主との出会いを待っているのだ。
武器は使い手がいなければただの棒きれ。使い手がいて、初めて価値を認められる。彼の持論だ。
「さて、行くか」
手綱を操る。
馬が進んで荷台の品が音を立てて揺れた。
ロカ山脈東側、麓の街サラブ。自然の恩恵を受け、食文化の発達した街。
公安(警察)の建物から、キースとクラナが出てきた。外で待っていたスレイとラザンが談笑を止める。
手で口元を隠しているクラナが走り寄ってきた。我慢していたらしく、変な声で吹き出した。山賊たちを連れて行った時の様子が可笑しかったようだ。
「みんな口を開けたままでさあ・・・」
ラザンの腕をしきりに叩く。
腕利きの剣士を雇っても手に負えなかった山賊たち。連れてきたのは女ル・プレと美しい少女。
山賊たちは少女に膝をつき頭を下げた。
あなたに忠誠を誓い、罪を償います
ハイオカとの対戦が衝撃的だった。絶対的な強さも、域を過ぎると神と等しくなる。少女は彼らにとって神祖のような存在になっていた。
また仲間が増えたな。
スレイとラザンは思った。
ラザンはいつも陽気で、酒とうまい料理が好きだった。彼の言葉に乗せられて、一行はこの街一番の店に来ていた。ひとつひとつのテーブルに小さな釜がある。食材を注文して、客がその場で焼いて食べる。そういう店らしい。天井が高いのは煙対策か。
ジョッキが運ばれてきた。白い泡が浮いた酒。麦酒と言うそうだ。
乾杯して一口飲む。口に味が残る苦い酒だった。
酔いもお腹も程よくなったところで、ラザンはキースに話しかけた。
「ハイオカと戦ってからあまり元気がありませんが、どうかされたか?」
スレイもクラナも手が止まった。
みんなが気になっていた事だった。
「我らに話しても解決できないかもしれんが、話すだけで少しは楽になるかもしれませんぞ」
ラザンの言葉に、キースが微笑んだ。
久しぶりに彼女の明るい顔を見た。クラナはそれだけで幸せな気持ちになる。
「ロズには、ノマを操る仲間がいるようです」
「じゃあ、あのハイオカの群れって・・・?」
クラナの問いにうなずくキース。
「彼の力は計り知れない。その上仲間がいるとなると、戦況は変わってきます」
今の私では、ロズは倒せない
弱気の彼女を見るのは初めてだった。
「私は違うと思います」
スレイが言った。
「初めてキース様と出会った時の衝撃。今でも忘れません。そして共に旅をして、私の疑念は確信に変わりました」
全員が彼に注目する。
「私に名案があります」
笑みを浮かべるスレイ。
彼の目に迷いは無かった。
サラブから東へ。小さいが有名な街がある。職人の街、デワン。住人の八割が鍛冶職人で、甲冑から武器、馬具まで、この街で一式揃えることができる。中心地には『職人通り』と呼ばれる道があって、年中兵士や剣士たちでごった返していた。
石畳の道。両脇に店を開いても馬で通れる広い道。あちこちから響く金属音。
二日がかりでデワンに着いたキースたち。一行は馬を宿に置いて『職人通り』に来ていた。
「これだけあると凄いね」
キースの腕に抱きつきながら、クラナが言った。
どの店を見ても武器ばかり。宿場町とは全く違う雰囲気。道行く者は武装した剣士や兵士たち。それに負けないくらい無骨な店の鍛冶職人。
気になった店で足を止めながら、武器を吟味するキース一行。
ここへ来たのはスレイの提案だった。
力量不足を漏らしたキースに対して、彼は言った。あなたに合った武器が必要だと。
剣術は極めるごとに個性が強くなる。それに合わせて武器の選択もしなければならない。キースの刀は本来師匠の物。師匠の個性に合わせて鍛えた刀では、キースの力は発揮できない。
そこでキースに合った武器を求めて、デワンにやって来た。例え彼女の力が特殊でも、これだけの職人がいれば、一本くらい相性の良い刀があるだろう。色々な武器を手に取りながら、感触を確かめる。
期待が少し落胆に傾いてきた頃だった。
誰かに呼ばれた気がした。
振り返るが誰もいない。あるのは布で巻かれた刀がひと振り。
鳴いているのか。
刀から彼にしか聞こえない音が鳴る。
「おい、聞いているのか!」
男が怒鳴った。
老齢の鍛冶職人を見下ろす武装した兵士。品物の大半が農耕具の店先。男の大声に通行人が振り返る。
「お前の後ろにある武器を見せろ」
男は同じ言葉を繰り返す。
サリュゲンは男を見上げた。
「やめておけ。お前には扱えん」
「なんだと?!」
男は腰の剣に手をかける。
人の波が引く。この通りで喧嘩や殺し合いはよくあること。巻き込まれないように二人から離れる。
「そう言われると益々気になる。いいから見せろ」
静かな声に殺気が混じる。
刀の音が変わった。
サリュゲンは顔を横に向けた。
人混みのなかでひとりの少女を見つける。知らないはずなのに、今日ここへ来ることを知っていた。
ようやく出会えた。名前のない刀の持ち主に。
今までと違う様子に、キース一行は足を止めた。
『職人通り』と交差する道。雑貨や食料品を売る店が多くある通り。武装した兵士がある店の前で怒鳴っている。農耕具を売っている老人に対して、今にも斬りかかりそうな勢いだ。巻き込まれまいと離れる人混みから、兵士の仲間が三人やって来た。
スレイはそのまま立ち去ろうとする。ほかの者も。キースだけがその場から離れなかった。クラナが気づいて戻ってきた。
「キース行こう。私たちには関係ない」
腕を引っ張るが動かない。
彼女の視線は一点に集中していた。
武装した兵士たちでなく、年老いた鍛冶職人でなく。店の隅に置いてある物。初めてガガルの刀を見たときのような感動と興奮。さっきから鳴いているこの音は何だろう。呼ばれている気がする。
クラナの声もスレイの声も聞いていない。
考えるより先に足が勝手に動いていた。
人混みからひとりの少女が現れた。彼女はためらうことなくその店に近づく。兵士たちは少女をにらみつけるが、その美しい顔に心奪われる。
「不思議じゃ。初めて会った気がせんな」
店の老人、サリュゲンが言った。
「私もです」
キースが応える。
右腰にある刀を見る。少し笑った。
「良い刀だ。手入れもしっかりしてある」
目線を彼女に戻す。
「その若さでその腕か。末恐ろしいな」
武器を見ればその者の力量が分かる。経験からの目利き。
兵士のひとりが話しかけるがお構いなし。サリュゲンは隅に置かれた長細い布を手に取った。キースは彼と目線を合わせるように姿勢を低くした。
布を取り除く。現れたのは、細身で反りのある剣。キースの持つガガルの刀と似ている。鞘も柄も紅く、金色の金具と装飾が施されていた。
妖しくも美しい。
目にした者全てが抱く感情。
「お前の名は?」
サリュゲンが問う。
「キースといいます」
彼女の名前を聞き、聞こえないような小さな声で、その名を繰り返す。刀を座っている膝にのせて道具を手に取る。鞘と鍔がつながっている金具を指で外し刀を少し抜く。
刀身の根元、はばきのあたりに何かを刻む。
十年かけて完成した刀に、ようやく名を刻む日がやって来た。
サリュゲンは刀を戻しキースを見つめる。
「ワシの十年は無駄ではなかったようだ」
差し出す。
受け取る前に、隣の兵士が怒鳴った。
「勝手に話を進めるな。見つけたのはこっちが先だ」
サリュゲンの手から強引に奪う。
欲しければ腕ずくで取ってみろ。言わんばかりの顔。
すぐに白目を向いて倒れこむ。慌てるまわりの兵士たち。何か細工をしたのでは、とサリュゲンを批判しなかったのは、すぐ近くにスレイとラザンがいたから。これまで生き残れたのは、おのれの身分、力量をわきまえてきたからだ。強そうな相手には逆らわない。二人が少女の仲間なら、ここは素直に立ち去ろう。
兵士たちは気絶した男を引きずりながら、人混みに消える。
放置された刀を拾うスレイ。
「うっ・・・これは凄いな」
険しい表情。
「生命力を根こそぎもっていかれそうだ」
先程の兵士のように気絶しないのは力量の差か。
「人の忠告を聞かんからだ」
サリュゲン。兵士のことを少しは心配しているようだ。
スレイから刀を受け取るキース。
初めて手にするはずなのに、妙になじむ感触。やはり似ている。ガガルの刀を初めて持った時の記憶が蘇る。
「似ているだろ、お前の刀に」
うなずくキース。
当然だ。
「ルコスのジジイとは師匠が同じでな。共に修行した仲だ」
サリュゲンの顔から笑みが消える。
「あのジジイはとっくに死んだが、お前がその刀を持っているということは、ガガルもとうとう逝きやがったか」
「はい」
応えるキース。
時代の流れを感じる。
「弟子を取りたがらないガガルが最後に選んだのなら」
じっとキースの顔を見る。
不機嫌な顔で、キースの腕に抱きつくクラナ。
「そうか、なるほど。お前はあの男の・・・」
納得したように何度もうなずくサリュゲン。
人の流れが元に戻る。キースの美形に立ち止まる者はいるが、災いが過ぎれば小さな露天など見向きもしない。
農耕具を売る年老いた職人と旅の剣士たち。変な関係でも、自分の身に危機が無ければそれでいい。
彼が昼飯の買い出しから戻って来ると、店先に剣士がいた。確かに刀剣も少しは置いているが、ほとんどが農耕具だ。何を買うつもりなのだろう。
二人の剣士とル・プレらしき女、そしてもうひとり。手にしているのは、布で包まれていたあの刀。
こちらを向いた。
足が止まった。鈍器で頭を殴られたような衝撃。
サリュゲンが十年かけて完成させた刀を持っている。その事より美しい顔に驚いた。
この世にこんな女が存在するのか。
キースとナックが初めて出会った瞬間だった。
場所を移動した。
刀をキースに合わせるため、微調整をしたいとサリュゲンが申し出た。道具が足りないため、彼の工房へ来ていた。中心街から東へ、岩山に囲まれた谷間。キースとサリュゲンは小屋の中。すぐ外ではクラナとナックが小屋の二人を眺めていた。
十年かけて完成した刀だ。細部にまでこだわり、キースの身体に合ったものに仕上げたい。そういうサリュゲンの思いが伝わってくる作業だ。
スレイとラザンは情報収集のため街に残った。
それにしても、とナックはキースをじっと見つめる。
なんと美しい女性だろうか。
大好きだった姉の端麗さとは違う、独特な雰囲気。自分より年下のはずなのに、あの妖艶さは何だろう。見ているだけで脱力して心がどこかへ持っていかれそうになる。
はたと気づいて姿勢を正す。
近くにいるル・プレの視線を感じた。キースにみとれて変な顔をしていたか。ちらりと見ると、怒っているような表情をしていた。俺が何かしたか。思い当たる事はない。
「ちょっと振ってみろ」
サリュゲンの声がした。
小屋の中からキースが出てきた。左手にあの刀を持っている。ナックの前を通り過ぎて、いつも薪割りをする平地で止まる。
刀を持つ手を上げた。
風向きが急に変わった。軽く振っただけなのに、何かが斬れたように見えた。
両手で柄を持った。
流れるような足さばきと、感触を確かめる刀の軌跡。体術に型があるように、剣術にも型がある。背筋がゾクゾクする程美しい型だった。
先の大戦の英雄。ルコスを中心とした戦争。ドガイにいた頃よく耳にした話だ。その中でもガガルという剣士は有名だった。
キースは彼の弟子だという。今まで多くの強者たちと対戦してきたナックだが、戦わずして勝てないと確信したのは彼女が初めてだった。
「これ程の剣士に今まで会ったことがない。しかもあの子にはまだ伸びしろがある。末恐ろしい子じゃ」
サリュゲンが言った。
ナックのすぐ横に立って、同じように彼女の剣の型を見ている。
武器の手入れと扱い方で、その者の実力が分かる。サリュゲンがよく言う言葉。ナックはその言葉が正しい事を知っている。
「良さそうじゃな」
キースの様子を見てサリュゲンが言った。
彼女は静かに刀を降ろした。
「危険な刀です」
小さな声。
激しく動いたわけでもないのに、顔には疲労の色が見える。
「鍛えたワシが言うのもなんだが、人が使える武器ではない」
歩み寄ったキースに鞘を渡すサリュゲン。
「持った者の気力を奪う。善、悪に限らず、この世の『力』を引き寄せる。ワシから見れば、お前のほうが危険じゃ」
キースを睨みつけるサリュゲン。
「お前は、この刀で何をする?」
「ある者と話をするため。そのためには、圧倒する力が必要なのです」
サリュゲンは考える。
彼が知るなかで、最強の剣士といえば・・・・?
「お前、ルコスのザギと戦うつもりか?」
キースは目を閉じて首を振った。
「ザギはもう倒したわ」
横からクラナが加わる。
なんと!!
さすがのサリュゲンも、驚きは隠せなかった。ナックも信じられない、というような顔をしている。
ドガイ出身のザギ。大陸一の剣士と言われる男。彼を倒したのか。
しかし、サリュゲンはすぐに納得する。
彼女ならザギを倒せるかもしれない。ガガルから剣術を学び、不思議な力を持つ女。だが、彼を超える者となると、ちょっと思いつかない。
「ロズ、という名の、魔法使いの少年を知っていますか?」
キースの口から、意外な名前が出た。
世間にはあまり知られていない人物だが、ナックから何度も話は聞いた。全てが真実ならば、その魔法使いは二年前の戦争を起こした張本人で、打撃も剣も、身体に触れることすらできない。
そして、軽く触れられただけで絶命する。
「会ったことはないが、こいつから話は聞いたことがある」
目線をとなりのナックに。
キースはナックを見た。
「俺は、奴に二度殺された」
ナックが言った。
「殺された、って、あなた今生きてるじゃない」
クラナが言う。
ナックは何かを言いかけてやめた。自分の事をどこまで話すか、彼は躊躇した。
身の上話をするほど打ち解けていない。
「私は、五才の時に親に捨てられました」
唐突にキースが話し始める。
「ちょっとキース・・・」
クラナが止めようとしたが、彼女は片手をあげて制した。
キースは、クラナに話した自分の過去と、ルコスで会ったロズの事を話した。不機嫌そうなクラナ。自分だけが彼女の秘密(過去の話)を知っているという独占感が、あっさりと消えてしまったからだ。
すべてではないが、成り行きがわかる程度説明した。
材料のない状態で答えを導き出すことは出来ない。ロズに会って直接聞くしかない。サリュゲンはそう思った。
「俺も話すよ」
ナックが言った。
キースたちとは出会ってすぐだが、目的が同じだ。お互いの話を共有して、導き出せることがあるかもしれない。そう思った。
五年前、家族を失った事。戦時中に対戦した事。
そして、姉から託された命をつなぎ止めているもの。『輪具』という武器の事。
彼もまた、得体の知れないロズという少年に、振り回されたひとりだった。
並の技量と剣では斬れない。手の平に描かれた魔法陣が不思議な力を発する。人の姿をしているが、人とは違う何かを感じる。
ロズの秘密を知った父が家族と共に殺された。
父の命を狙うロズが、キースの成長を待っていた。
仲間がいる。
はるか東の国イナハンにひとり。体術を使う女、イリリ。五年前と同じなら、国を動かす側にいる。
もうひとり。
ノマを操ることが出来る者。ロカ山脈でハイオカに襲われたのは、その者がノマを操作したから。どこにいるのかは不明。
今のところ相手は三人。別行動なのは、何か目的があるからか。ひとりでも一国を動かす力がある。
十分力をつけた。
今ならロズを倒せる気がする。好機だと思った。
「会ってすぐだけど、頼みがある」
ナックの言葉にクラナが過敏に反応する。キースとナックの間に入って身構えた。それがどういう行動なのか、ナックには理解できない。
「俺も同行させてくれないか?」
クラナの表情がさらに険しくなる。
何か勘違いされている。ナックはそう思った。
「仇をとるのは私の話が終わってから。それを守ってくれるのなら」
うなずくナック。
キースとナック。出会うべくして出会った。サリュゲンはそう思った。
気がつけば二年。
成り行きとはいえ、それだけ生活を共にしていれば情が湧いてくる。旅立てば二度と会えないかもしれない。最後の夜なのに、交わす言葉が見つからない、ナックとサリュゲン。
火を囲んで酒を酌み交わす二人。
沈黙を破ったのはナックだった。
「ウラは生きているだろうか」
独り言のようにつぶやく。
「あいつはサラを残して先に逝く奴ではない。そのうちここへ来るだろう」
サリュゲンが答える。
キースとの会話の中で、『武闘会』に参加した事を聞いた。
ウラとサラは、ドガイにいた頃からの友で、サリュゲンを知ったのは彼らから聞いたからだ。二人の武器はサリュゲンが鍛えた。
「そうだな」
ナックは微笑む。
そう簡単に死ぬ奴ではない。
「ウラの得物を鍛えねばならん。また忙しくなるわい」
たき木が崩れて火の粉があがった。
「世話になったな」
ナックが言った。
言葉はない。
サリュゲンは酒の入った器を掲げた。
夜明け前。
ふと目覚めるクラナ。暗い部屋のベッドの中。不安な気持ちを和ませてくれるのは、近くに感じる肌のぬくもり。
しばらくは野営生活が続く。
クラナは同じベッドに眠るキースに抱きついた。よく眠っている。新しい刀のせいか、ひどく疲れている様子だった。
美しい顔に小さな寝息。目を覚ます気配はない。
同性なのに性欲を感じてしまう。
ちょっとくらい、いいよね。薄地の服の中へ手を入れる。細身なのに大きくて張りのある胸。クラナの手にはおさまりきらない。言葉で表現できない感情がこみ上げて、そっと服をめくり上げる。
顔を押し付けた。
キースのぬくもりと鼓動を感じた。
ずっとこのままでいたい。
早朝。
身支度を整えるキース。着物に似た異国の民族衣装。その上に革のベルト。刀が二本になって、腰だけのベルトでは支えきれない。両肩と腰で重さの負担を減らす。
右腰にガガルの刀。左腰にキースの刀。装飾の派手さが違うだけで、見た目の形はよく似ている。
勇ましいキースの姿を、惚れ惚れと見つめるクラナ。
頑張ろう。私ができることでキースを支えよう。
振り返って微笑むキース。
ちくしょう。格好良いし可愛いじゃないか。
宿屋を出て待ち合わせの場所。北へ向かう道。着いてすぐに彼がやって来た。
昨日会ったばかりの青年。はるか東の国、イナハンの出身。彼もまた、異国の民族衣装。裾の長さは合っているが、全体に大きめの身体の線が分からない服。拳法を使う格闘家が着るような服装。
彼のことは説明してある。名前だけ紹介して出発。
見渡す限りの草原。ゴルゴルに着くまでは起伏の少ない平坦な道だ。先頭にスレイとラザン。ナックをはさんで後方にキースとクラナが並走する。
馬の速度に戸惑うナック。
「ひ弱なル・プレがいるからな。すまんが辛抱してくれ」
前を行くラザンが言った。
「いつか燃やしてやる」
ナックの背中に、ひ弱なル・プレ、クラナの声が届く。
「お~怖い怖い」
首をすくめるラザン。
微笑ましくて、つい笑顔になってしまうナック。
天候に恵まれた旅だった。ノマにも会わず四日が過ぎた。
辛そうだったキースがようやく復調した。持ち手の気力を奪う刀だから、弱り続けるはずだが、そうではないようだ。
彼女が言うには、『刀と折り合いがついた』そうだ。
常人には理解できない。
十分に力を溜めた矢が飛んだ。軸がずれているのか、小刻みに揺れながら風を切って飛ぶ。横風など問題ない。獲物は目の前。
外れた。
悔しがるラザン。
最後に失速した。獲物は穴に入ってしまう。
旅の途中のちょっとした賭け。獲物を狙うには距離がある。小型で警戒心の強いその動物は、このあたりの貴重な栄養源。
今のところ、スレイとナックが一匹ずつ。外れたら交代。次はキースの番だ。
同じ弓、同じ矢。彼女が持つとそれは神器となる。
狙いを定めたわけではない。手が震えるほど弓を強くしならせたわけでもない。軽く、すぐそこを狙ったかのような撃ち方。
命中。
すぐに二射目。軸のずれた粗悪な矢が、横風で大きく弧を描く。穴から顔を出した瞬間に当たった。
三射目は上に射った。
手をかざす。
それが何を意味するのか分からない。何を感じたのか、穴から飛び出して走り出す。真上から矢が突き刺さる。
キースが三匹。
「ラザンとクラナの分が獲れたから、もういい」
スレイが嘆息する。
「それでは賭けになりません」
獲物を獲った者だけが食べられる。そういう賭けだった。
「私は三匹も食べられません」
大げさにうなずくラザン。
苦笑するスレイ。
旅の途中の、ちょっとした出来事。
十日目。
デワンで得た情報を確認する。
「ゴルゴルの西側、旧プーゴルの城に例の魔法使いがいるそうです。それと、数百単位の兵士が常駐しています。目的はおそらく我々を迎え撃つためのものでしょう」
スレイが言った。
分かりやすい、派手な行動。情報を漏らしたのも意図的かもしれない。
「城も街も、私とラザンにとっては庭のようなもの。侵入は容易です。二年前と変わっていなければ、ですが」
スレイは目をそらした。
二人の心境は複雑だ。二度と戻らないと思っていた母国に、これから向かうのだから。ただし、二年前とは気持ちも状況も違う。
あのさ、とクラナが開口する。
「二人はさ、昔いた国に帰るのって抵抗はないの?」
スレイとラザンは顔を見合わせ少し身を引く。
詳しい内容は知らないが、敗戦後すぐに旧プーゴルの国王から、国外追放の命令が出たらしい。当時は敗戦の責任を負わされたものだと思っていたが、最近になって違うと感じていた。
「国民たちには恨まれているかもしれん。大事な時期にいなかったからな」
ラザンが言った。
「国王は、我々に国の再建を託されたのだと、最近思う。あのまま国に残っていたら、見せしめに殺されていただろうからな。国を出て、対抗する勢力を見つける。可能性は低かったが、結果的にはそうなった。今ならあの魔法使いを倒して、もう一度国を取り戻せるかもしれない。そのためなら、どんな罵声も受けるし、悪人扱いされても構わない」
二人の覚悟を感じた。
「気持ちは分かるけど、数百の兵士たちをどうやって切り抜けるんだ? 城に上手く侵入しても、囲まれたら終わりだ」
ナックが言った。
「それは問題ないわ」
クラナが即答する。
「こいつはな、身体は弱いが魔力は強い。特に幻覚魔法が得意でな。この今にも折れそうな腕をひと振りすれば、みんな夢の中だ」
ラザンが身振り手振りをつけて言った。
「なんか馬鹿にされている気がしてムカつく」
キースが下を向いた。
笑っているようだった。
「あ、ひどい。キースまで私を馬鹿にして」
キースに抱きつくクラナ。
怒っている、というより甘えている。
作戦は決まった。
入国は南の街キロンではなく、西側のポレス。順路からあえて遠くを選んだのは、門壁も検閲も無いからで、さらに迷路のような街並みと、深く大きな森があるため、万が一の強襲に備えての選択だ。
あとは東に進んで、城のあるガイザへ向かう。
山の上にある城なので侵入経路は限られるが、それなりに抜け道がある。城を攻め落とされた場合の国王の退避通路とか、兵士しか知らない秘密の抜け道とか。スレイとラザンが思案するなか、キースのひと言で全て決まった。
正面から攻め込む
無茶な案だが、すぐに正解だと納得する。
聞いた話が本当なら、ロズという魔法使いを出し抜くのは難しいだろう。それならばいっそ真正面から。護衛の兵士たちには囲まれるが、固まっていればクラナが魔法をかけやすいし、なにより正面突破できる実力者ばかりだ。
色々な場合を想定して、さらに策を練る。
国境に気をつけながら、疾走する馬の集団。
デワンを出発して十四日目。ゴルゴルの西側、ポレスに到着しようとしていた。
日中だがあたりは暗い。
分厚い雲が空を覆っていた。雨が降ってくるかもしれない。
先頭を走るスレイの馬が速度を緩めた。正面に森への侵入口が見えてきた。ここから先はゴルゴルの領地だ。
隊列を形成しながら深い森へ入り込む。重なった枝葉の屋根がさらに光を遮って、森の中は夜と等しかった。
はぐれれば、たちまち迷子になる。そんな森だ。
どれくらい時間が経ったのか。
単調な景色が五感を狂わせる。
スレイが片手を上げた。樹木の切れ目から街の様子が見える。表情が暗いのは森のせいではないようだ。
「読まれていたか」
馬を止め、スレイがつぶやく。
ここから先は森を出て街を通る道しかない。森の少し高い位置から見る街並みは、彼が言った通り不規則に建物があって迷路のようだった。しかも、人がすれ違うのがやっとの狭い道ばかり。馬が通れるのは一本しかない。
その道を武装した兵団が塞いでいた。
迂回するにはもう一度国境付近まで戻らねばならない。
「あいつら、戦争でも始める気か」
ラザンが言った。
弓兵、槍兵が小隊を組み、城を落とすための火器まで用意してある。
「馬を降りて行きましょう」
キースが言った。
それはつまり、あの兵団と殺りあう、という事。
スレイとラザンも馬を降りる。クラナはキースに支持されて下馬。
ナックは?
キースはナックを見た。すぐに目が泳いでしまう。全て見られている気がして直視できない。
「ここで待っていてもいいが」
キースが言った。
動揺は隠せない。
旅中での会話で、溜まっていたものが一気に吹き出す。
「正気か。たった四人であの兵団と戦うつもりなのか。確かに剣の腕は凄いと思うが、あの人数だぞ」
正しい判断だ。賛同者がいても不思議ではない。
「策はあるのですか?」
スレイが問う。
「まずは話し合いから。通じなければ、道を開けてもらうだけ」
「正面突破ですな。私好みの戦法だ」
槍を肩にかけ、嬉しそうなラザン。
それ、戦法なの、とクラナ。
「大砲は任せて。砲撃手を魔法で・・・」
坂を下る四人。
「本気なのか」
馬を降りるナック。
迷っている場合ではなかった。彼はキースたちの後を追った。
曇天のなか、兵団の団長は隊列の確認をする。弓兵、槍兵、砲撃手。歩兵の中央にはプレ・タナ(魔法使い)もいる。準備は万端だ。
ただの女剣士ひとりに、これだけの兵力が必要なのだろうか。
疑問が何度も頭をよぎるが、命令は絶対だ。相手が少年であろうと、彼の命令は国王様の命令と同じ。全力で戦うのみ。
先頭の弓兵たちがざわついている。
何事かと目を向けた者すべてが言葉を失う。
分厚い雲の切れ目から差し込む陽の光。その先に立つひとりの少女。異国の服に身を包んだ彼女を、神が遣わした使者だと感じた者はひとりではない。
光り輝く美少女。
武器を持つ手が緩み始めた時、彼女が開口した。
「無益な争いはしたくありません。道を開けてください」
団長は自分の頬を叩いて、現実に意識を戻す。
「貴様がキースか」
「そうです」
団長の問いに答えるキース。
「弓兵、撃ち方用意!」
彼の声に兵団が動き出す。十人ひと組の弓兵が前後三列先頭に並んだ。
光の中の少女は一度下を向き、もう一度顔を上げた。
「私は、ロズという少年と話をしたいだけです。あなた方と戦うつもりはありません。道を開けてください」
キースという名前の少女が来るから全力で殺して
ロズの命令。
彼の命令は国王様の命令。任務を遂行するのが兵隊の役目。相手が誰であろうと関係ない。
しなる十組の弓。
「放て!!」
団長の合図とともに、解き放たれる十本の矢。
キースが片手をかざす。
どこからか吹く風。
急に矢が失速して、彼女の足元に落下する。違う気がしたが、あれは魔法だと自分を納得させる。
先頭の弓兵が後退して、次の十人が弓を構える。
「これが最後です。道を開けてください」
キースが言った。
「貴様に応じる気はない。我々は全力で貴様と戦う」
宣戦布告をする団長。
大きく息を吐くキース。
「それならば仕方ない。道を開けさせてもらう」
そう言って、彼女は右腰の武器に手を添えた。
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