第7話

縁(えん)とは縁(ふち)で、人生において決して中心にあるものではないが、しかしそれは還るべき場所としての縁(よすが)でもあるのだ。


     ◆◇◆◇◆


「――これで分かったでしょう? この世界は全て彼女の手の平の上なんです。太陽が膨張して地球を飲み込むのは彼女の意志で、人類が滅亡するのは彼女の望みです。……地球を脱出することは、神の意に反することなんですよ」

 目の前の男、女良リョウはようやく長い話を終えた。

女良は喉を湿らそうとしたのか湯飲みに手をつけるが、既に中身が空なのに気づき、「失礼」と一言、部屋を出て行く。

 俺は長い話に凝り固まった体をほぐした。途端に、周囲の雑音が堰を切ったように部屋の中で溢れた。TVでは、未だに東日本大震災についての特集が流れていた。

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