第10章 エンダー星を止めろ

敵の本拠地

 ここからの説明は、ユウが地球に残した通信機から聞こえてきた音声を元に、私の想像と勝手な解釈が含まれたものだ。 


 通信機から音声が聞こえてきたのは、ユウが飛び立ってから五分くらい経った頃だった。 

 きっとエンダー星にある別の通信機が、何らかの拍子で音を拾い、ユウの通信機のスピーカーに流れてきたのだろう。 


 私は、ディーノ社長が手配してくれた船の上で、通信機に耳を傾ける。他の三人も傷の手当てを受けながら、聞こえてくる音声に意識を集中させる。


『大噴火! shoot! 吸収解砲! 刀爆!』 


 聞こえてくるのはユウの声と、誰かの叫び声と、激しい轟音。 

 きっとユウが皆の技を駆使して戦っているんだ。


『おい、この星の動力はどこにある』 


 ユウの声だ。


『し、知らない……』

『チッ!』 


 どうやら尋問したエンダーは、動力源の場所を知らなかったらしい。 

 舌打ちの音の後に、『知らない』と言ったのと同じ声で悲鳴が聞こえたから、きっとユウが倒したのだろう。 


 タタタタと走る音と、破壊音。ユウは片っ端からエンダー星を破壊し、止める気のようだ。


『まさか、たった一人で乗り込んでくるとは』 


 十分くらい経って、ある人物の声が聞こえてきた。


『マーザ……』

『クックック。派手に暴れてくれたものだな』 


 マーザの不気味な笑い声が聞こえてくる。


『だが、貴様が倒した星の使徒はせいぜい三十名。こちらの戦力はまだまだ余裕がある』

『星を止めろ、マーザ。人類抹殺は諦めろ』

『そうはいかぬ。我々の使命は地球を守ること、それは遂行されなければならない』

『だったらお前を倒して、動力源の場所を聞き出すまでだ。……刀爆!!』 


 ユウは炎の剣を呼び出し、マーザに向かって斬りかかる。


『ハァっ!!』

『ぎゃぁああ!!』 


 ザシュッという肉の斬れる音とマーザの苦痛の叫び。ユウの斬撃は敵に命中したらしい。 


 やった、敵の大将を倒した! 私達は喜んだ。

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