第5話
木霊に手を振る茜達はボソッと呟いた。
「火苗はイケメンなんだけどな」
「氷雨さんもイケメンに入ると思いますわ」
「じぃじ、昔はかっこよかった」
楓を真ん中に三人で手を繋いで歩く。その様子を生徒達が見ていく。不機嫌そうに眺める小学生。水面はそれに気付いてたが知らないふりをした。
「さぁ今日はどこで遊びましょうか?」
「釣りだったら釣具の花岬がいいよ。花岬は巫女に甘いからね。おまけくれるし」
「ん。花岬のおばちゃん、お菓子くれる」
「では花岬に16時に集まりましょうか?」
「楽しみ。ありがとう茜ちゃん水面ちゃん」
「ありがとうはいらないよ。可愛い楓はあたしの妹だもん」
茜は楓を可愛がっていてデレッとした顔になる。
「学校につきましたわ。楓ちゃんまた放課後に迎えに行きますわね」
小学校と中学校は隣接している。楓が入るのを見送って茜達も校舎に入った。
「茜様、水面様、おはようございます」
「朝からやめてよ。学校くらい巫女じゃなくて茜として見てよね」
同級生の女の子、鈴森春香は眼鏡に三つ編みおさげ。二人の鞄を持とうと近づいたのを水面が制した。
「春香さん、お気持ちは嬉しいですがいつものように接してくださいませんか?」
「わかりました。水面様が言うならそうします」
巫女としての存在を守るため巫女に従おうとする。巫女がどれだけ貴重でありがたい存在か周りに認識させる。それが鈴森春香の考えだった。
しかしやりすぎて宗教のようになるため水面から控えるように言われている。
巫女とは神聖なものであると同時にただの女の子なのだ。
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