第2話 両親に贈る言葉

「結婚式ってさ、よく両親に贈る手紙ってあるだろ」

「子供の頃の思い出って考えたら、お化け屋敷とそれから後は迷惑っていうか、心配させたことばっかりでさ、とても人前でなんか言えなくて俺やめようっておもってたんだよね」


「でも彼女が、読まなくったってちゃんと渡しましょっていうから無理やり書かされたんだよね」


「・・・・・」


「親の挨拶はおかんぜーーーったいしたくないと思うって思ってたらさ、突然おかんから電話で来週にのどの手術するからっていって、結局俺が出張で帰れない時に手術決めちゃったろ。しかも8時間もかかったんだって?看護婦さんから聞いたよ。声帯取っちゃってしゃべれなくなったけど、おかんも手紙書いてさ、司会の人に代読してもらおうな。しゃべれなくったって手紙くらい書けるだろ。これから筆談だって練習しなきゃいけないんだからさ」


ブーーーッ、ブーーーッ、ブーーーッ、ブーーーッ


「あ、携帯。電源切り忘れてたわ。彼女からメールだ。あと一時間くらいでこっち着くってさ。」


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