第5話 登 山


 準備を整えて登山を開始した 目標は頂上だ 暫らく登ると平地が有ったので昼飯の準備に取り掛かる2人掛かりだと早い食事を終えて休憩してると円が小声で


 「獲物発見 前方左10時約200㍍ 中型猪と思われえる」


 素早く岩陰に隠れ ライフルを構えて 様子を伺うと風下から猪が突進して来るのが見えた射撃用意のハンドサインを出した後 薫が叫ぶ


「撃てー!!」


 2発の銃声が山々に木霊する 命中 猪は弾け倒れる 警戒しながら近づいて死亡確認する

 徐に円が近くの木に吊るして血抜きを始めた 全ての行動が薫の想像以上で相棒とし

 て信頼できると確信した 暫らく見ていると解体をはじめ素材を円のポーチ入れていた 機敏な動作信頼を 確信に変える

 不要な物を土に埋め登山を再開する 途中の岩壁で得意なロッククライムで登り始める 背中に20キロ以上の荷物を背負い登る円を見た


「上級山岳兵以上の技術と体力 それにしても余計な物はポーチに格納すれば楽なのにー」

「いえ!薫さんと同じが良いのです」


 円の微笑が 薫の笑みを呼ぶ 思えば円さんと知り会ってから 苦笑いも含め笑顔が増えた様でコミュ症気味の 薫に良い兆しが診える 山の中腹で野宿を決めた

 今日はキャンプだ 軍用テントの周囲に警戒センサー

 を設置し半径300mを警戒区域にした


 翌日息苦しさから目を覚ますと 円に抱き枕にされていた動揺を隠せない 良い匂いがするし...まだまだ馴れない 馴れようとも思いません 多分今は(テヘ~)

 何とかテントを脱出して軽く柔軟体操をして朝食の準備をする 山では何が在るか分からないので野戦食ですます

 インスタントのコーヒーでも此処では格別 円は紅茶の方が好きらしい

 2人で飲むお茶に感動と家族同様に親しみを覚えた撤収を開始 登山を再開する


 山頂に近づく程 険しく成るが2人の行動に乱れが無い まるで長年連れ添った夫婦の様に・・・

 夕暮れに近づく頃に登頂を果たし 360度自然に満ちた風景に感動したこの辺りで一番高い山 だった  暫らくお茶を飲みながら歓談をしていると

 突然違和感や圧迫感を覚え 辺りを見回す遠方に人間らしき者を発見

 双眼鏡で確認すると赤い髪の白いワンピースを着た少女だと思われる 武器を所持していない様なので少し警戒を緩め 少女を向かいいれた言葉が通じるか不安だが俺が声をかけた

  

「こんにちわー!初めまして 私達は大和国から登山しに来た者です 私が薫で隣に居るのが相棒の円です 宜しく」言いながら 右手を差し出す

 少女は 不思議そうな顔をして答える


「うーん?古代語じゃな 大和国とやらは 古代語を使用すのじゃな」


(何だ?このじゃじゃ娘は 古代語?なにそれ 美味しいの)


 真面目な性格の薫にしてはくさいギャグを思う 


「古代語とは2千年以上前に死滅した言語で詠唱や陣(魔法)作成にしか使って無い」

そうかこの辺の人とは違う言語だということは分かった 取り敢えず今は 彼女との会話が大切と思いお茶に誘う 彼女は怪訝な様子だけど同意してくれた


「ほぅ!此れがコーヒーと言う物か 苦いが癖になりそうじゃな」


「それでは 砂糖とミルクを入れてみてください」

俺は側に置いてあった 砂糖を2杯いれミルクも入れた


「此れで少し甘くまろやかになりますよ」


少女はおもむろに飲んだ 驚愕の表情で

「甘い 旨い」


「そうですか 甘いものがお好きなら 此れどうぞ」

神袋からケーキを差し出した


「これは凄い 美味しいし柔らかい こんな旨いもの初めてじゃ」

大絶賛だった 気を良くして追加で3個程だしたが すぐさま無くなった

こうなると 彼女も警戒を解いてくれた 戦場でよく感じる威圧が無くなり

穏やかな 時が流れた・・・・俺は山の事 付近の人間の事を聞く 彼女は

やまと国に興味を示した日も落ちかけてきたので食事の準備を使用と円を探す

と何時の間にか用意が出来ていた 流石円さん出来る人だ

彼女を食事に誘うと 快く受けてくれた 今晩のメニューは 来客が居るので

豪華にヤマトの野菜にゴマだれドレッシング スープはコーンスープ パンはヤマト特選

バターロール メインはしし肉のステーキ 〆はバニラアイスに氷入りのアイスティー 結構美味しかった 彼女を見てみると 満面の笑みを浮かべ硬直してた 何でだろう 暫らくすると彼女が口を開いた

「凄い 凄過ぎるんじゃあ! 今まで食べた中で最高じゃーー!!」

それは良かったと思ったが決して 手の込んだ料理ではない 此れだけ喜んで貰えるならほかの料理も食べさせたい俺の作った絶品のハンバーグ シチューとか色々有ると思う 円の顔を見ると笑みを浮かべながら 頷いていた

「喜んでいただいて 良かったです 機会が有りましたら 私の料理を御作り致します」

「なにーぃ! 此れより旨いものがあるか? 本当か?」


「それでは 明朝簡単なものを御作り致しますので 良かったらお出で下さい」

「よし 分かった明日も来る 頼んだのじゃ!」


彼女が帰ろうとしたので 俺様特製クッキーを手渡したでは 又明日 見送ってから

気が付いた 名前を聞いてねー 円が察して 答えてくれた


(多分彼女は 神獣様ですね 名前が無いと思います 皆さんは神獣様と呼びますから でも行き成り現地神様と御会い出来るなんて 幸運ですね)

ビックリ もう馴れた うん明日ももてなそう お接待 お接待又笑顔が見れるから頑張ろう トキ様が僻むといけないので 早めに供えようと決心した


知らない天井じゃない 軍用テントの中です連続で抱き枕にされています やっとの思いで外に出て 朝日に向かって参拝する 今日も朝日が見れました 明日も見れますように 戦場に出た時からの慣わしに成っていた


さてと 何作ろうかな 朝は一日の栄養司る大切なもの 野菜の味噌汁に 白米そして焼き魚に海鮮のり 竹の子と茸の煮付けに 大根主体のサラダ 梅しそドレッシング付け合せに塩茹でポテト ヤマト流和風御前の出来上がりです 仕度をしている内に彼女は来ていた 円と楽しそうに会話をしている 卵があったので 追加で卵焼きを出した 2人が美味しそうに食べていく 魚3尾 白米4杯 2人ではない1人1人の量だ 考えてみたら 家族以外で女性に料理を作ったのは 初めてだ 気に入ってくれれば良いな 最後はヤマト茶に塩昆布 邪道派が多いが 俺のお気に入りです


「「ごちそうさまでした」」


2人がハモった凄い 昨日会ったばかりなのにー 3人が笑顔になった

「処でおぬし達は 如何するのじゃ?」

「実はこの後の事何にも考えていませんでした」

「ふぉふぉふぉー おおらかで良いのぉー そうじゃ!おぬしらが 良かったら山の中腹に小屋が有るのじゃ 暫らく住んでみたら如何じゃ?」


へぇー小屋が有るのか 此処は物凄く 気持ちがいいので良いかも

「円さんは如何思いますか」

「ハイ 此処はマナが濃くて 薫様の体を鍛えるには最適で御座います 神獣様さえ宜しければ 問題ないと思います」

ん??鍛える何を??まあ いいかぁ 

「「其れでは 神獣様宜しくお願い致します」」

「わしもたまに寄るのでな 飯を食わせてくれい」

やはり 飯のせいか 凄い人を餌付けしたようだ 自重しなければ・・・・

 

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