第12話 誰にでもできるスライム討伐

第12話 誰にでもできるスライム討伐


『スライムが現れた!』


 本日、三匹目のスライム君だ!さあ張り切っていこう。


 先ほどの一匹で、アランに倒し方を教えてもらった。

 初心者用の倒し方だ。


 アランは赤紫色の液体が入った試験管を持ってこう言っていた。


「まず、この液体をかける。」


 試験管をうまく振って、スライムの壁に当てると、その色がじわじわと赤紫色になっていく。


「これは染色液。こうすると細胞内の器官が良く見えるんだ。…これが食胞、2つあるな…。これが収縮胞、縮んだり大きくなったりするからわかりやすい。で、これが核、弱点だ。」


 周囲より色が薄く、透明に近い丸いもの、これを刺せば液体の体は崩れて死ぬらしい。


 …アランの話を思い出しながら僕は目の前の赤紫色のモンスターと対峙する。

 よし、染色したからあとは核を見極めて…


 僕はその色の薄くて丸い部分を狙って、右手と剣を突き出した。


「やったか!?」


 核は剣のすぐ下に移動していた。

 外した。

 あーあ…


 先ほどと同じように足から顔までよじ登ってくる。

 ホント気持ち悪いな!

 あっという間にさっきの二の舞だ。


 ぶくぶくぶくぶく…


 エオウィンが、やれやれといった感じで杖を構えたが、僕はそれを左手で静止する。


 今は、こいつの体の中にいるからか、さっきより、もっとよく核が見えた。


 スライムに左手を突っ込んで、目の前のそれを鷲掴みにする。そして、短剣を核の下から突き上げた。


 バシャッと、スライムの体が破裂する。


 アランが駆け寄ってきた。


「よしよし、上々だ!アキはセンスがあるな。」

「いやぁ、それほどでも。」

「いやいや、スライムにまとわりつかれても冷静だった。新米冒険者は大抵パニクって何もできないよ。」

「でも染色液がないと、何もできないよ。」

「大丈夫、慣れればそのうちに核の場所がわかってくるさ。」


 ふむふむ、何回かやれば、コツを掴めそうだ。


 ここでふと僕は、顔の肌に違和感があることに気づいた。


「アラン、僕の顔の腫れ、引いていないか?」

「ああ、スライムは薬草を食べていることも多いから、そのせいかな。」


 なるほどなるほど…


 あ、そうだ!



「アラン、試してみたいことがあるんだけど、ちょっといいかな?」

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