コーリィンとアイリーン

アイリーンとあったのは子供の時だっただろうか?

「まさか貴方が王家を出家なさるとは思いませんでしたよコーリィン。」

ユーリとユーキスはぐっすり寝ている。

「今の母上は俺を正式な後継ぎにすることに反対でしたからね。王家の掟を守ればウニバルゾの安泰が守られると信じておられるようで。俺も堅苦しい実務より自由にしているほうが楽ですし。」

ネオス王家は代々、三目一族に産まれる龍にならない女性が王妃になるのが習わしだった。

今の王はその習わしにしたがわなかった。

「私はウニバルゾが変化の時期がやってきただけだと思いますけどね。ネオスも闇と隣り合わせなのに目を背けていたことが今回の件の大もとでしょう。」

ネプチューンは常に闇と立ち向かってきた。

『マホロボ』の『ダークナイト』そして『風の民』、闇と共に生きている民がいる。

ネオスは守人とティティ一族しか闇を知らない

城で育ったコーリィンも『マーシャン』に来てから始めて闇から生まれる者と対面した。

「これからネオスいやウニバルゾは変わるのだろうな。」

闇に支配される世界にはしたくない

リィー様がお守くださればと思う。

「そうですね。『ネプチューン王国』のように聖獣が生きれない世界にはしたくないものです。」

美しい気がなければ聖獣は生きれない

『ネプチューン王国』では闇の者が支配し聖獣は滅びたという

「生命を支配しようと思うのが間違えなんだ。ネプチューンは魔術で生命を操るらしい。」

科学という技術で人も作りだすらしい。

「操ることに意味があるのか私もわかりません。マシェ様は警告していたようですが、異世界の技術を取り入れることをやめなかったようです。子供がいないタウンがあるそうです。」

そこまで酷いことになっていたのか……。

カミュールが体を壊して帰ってきた理由もわかる気がした

ホセの息子、後継ぎだったロミオもネプチューンに滞在してから病になった。

「今やネプチューンの王家は名だけで権力はない、いつの日かは滅びるのかも知れないな。」

そしたらこの世界はどうなるのだろう?

闇にのまれるのだろうか?

「リィー様のお心しだいでしょう。」

アイリーンがそう言って岩を見つめた。

コーリィンは毛皮と羽毛を引いた柔らかい寝床で寝ている二人の頭を優しくなでた。

ユーリは王家の血をひき

アルテミスの加護を受けている

いずれは『ウニバルゾ』をゆれうごかす大きな出来事にのまれるかもしれない。

「ユーキス、お前はユーリを守る『ダークナイト』になるんぞ。」

赤毛をなでるとムーと言って寝返りをうつ。

やがてウニバルゾは暗黒の時代に入っていく。

コーリィンとカルメンもまたそれぞれの宿命にのまれて行くのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新たなる世界が息吹く時 永久 夏波 @fumakamami

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ