幽閉

「均衡を崩すことは守人にとっては罪、カルメンを捕らえよ。赤坊は殺せ。」

赤坊の泣き声が響く。

「離せ、私の子を返せ。」

ガーリィンを慕う兵士に戦いを挑むわけにはいかない。

出産でまだ弱っている体では力が出ない。

兵士に乱暴に捕まれ地下の一室にカルメンは閉じ込められた。


地下水のが落ちる音だけがひびく。

「少しでもお召しあがらないと死んでしまいますよ。」

カルメンの世話役のミニが口を着けてないお盆を見ていう。

カルメンは目をつぶり瞑想していた。

守人としての使命があるいじょう死ぬわけには行かない。

今、ネオス王国は闇の支配を受けないよう守りを固めるのと同時にネプチューン王国に戦える者は派遣している。

そのため王と第1、第2王子は城にいない。

ガーリィンだけが残っている。

マシェどのには迷惑をかけてしまったな

マシェとカルメン、二人でウニバルゾにある目に見えぬものを浄化してきた。

しかしネプチューンに闇が入りこみシティが滅ぼされる事件がおきていた。

ネオス王も動いてはいるがての施しようがないという

本来ならカルメンも闇の追求をしなくては行けないが出産で力を使い果たしたのかいくら集中しても見えない。

『女は力が不安定だだから守人には向かない。お前は王家の後継を産むんだ。』

兄の言葉がひびく。


「カラー外に行こう。だいじょうぶあの腐れ王子はティラーヌが見張っているから。」

赤い髪の青年がカルメンを抱えあげる。

「ヒディー離せほっといてくれ。」

抵抗するがきいてないそのまま地下からの階段を上がって行く。

何日ぶりかの外はまぶしかった。

「ティムが帰ったらカラーがいないて騒いでいたんだ。あいつ頭いいなちょうどマーシャンにいた俺にいいにきたよ。」

ティムと言うのは、ティティという聖なる鳥だ。

カルメンが幼い時から共にいるティムはガーリィンが嫌いで近づこうともしない。

「すっかり忘れていた。ティムは無事か?」

「元気だぜ。今は離宮にいるから会いに行こう。」

龍になって飛べば早いのにペガサスを呼んだのはカルメンの体を気づかってだろう。

ヒディーに守られ乗っていると昔を思い出す。

気力を使い果たすまで修行をしたときコーリィン向かいに来てくれた。

何かが見上げた頭上でひかった。

「シィー早く飛べ。」

ヒディーが急かすが間に合わないゴーという音と共に何かが近づいてくる。

「カラーしっかりつかまってれよ。」

ヒディーが龍になり危機一髪でそれを受け止めたがバランスをくずし離宮と町との間にある湿原に墜落した。

「ヒディー!」

魔法の風で急いで墜落したあたりに行く。

身を起こしたヒディーの横には銀色の岩が落ちていた。

「イテー、ウロコもげた。」

人に戻ったヒディーが落ちたウロコを拾う。

「なんだこれは?」

「カプセルだな。こいつをひねるみたいだな。」

とびでた突起をヒディーが回すとカチッとあいた。

「ユーリ!」

中の四角い箱があき赤坊が寝かされていた。

カルメンはしっかりとその体を抱きしめた。


ガーリィンがカルメンがいないことに気づき探しにくるまで赤坊に乳をあたえた。

「王が帰るまで俺が預かる。」

ヒディーに預け、カルメンはまた幽閉された。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る