新たなる世界が息吹く時

永久 夏波

龍王の息子

龍王、それは龍達の最後を見届け、『龍の谷』を守る者だ。

『龍の谷』というのはこの世界にいる龍達の墓場

流れる川は龍の血

きらめく石は龍達の鱗や骨と言われている。

ネオス王国の王族に黒髪の男の子が産まれると『龍王』として幼き時から育てられる。

本来、『龍王』は一生涯独身ですごすが、時の歪みだろうか?

守人と呼ばれる世界のエネルギーを見守る一族の婚約者に『龍王』が導かれた。


「仕来たりがどうした?そなたも仕来たり通りに『龍王』になったわけではなかろう。」

黒髪の女性が声をあらげる。

守人のカルメンだ。

彼女の兄たちが次々に病に倒れてしまったのでネオスの第一王子の婚約者として育っていた彼女はきゅうに守人として生きなければいけなくなった。

守人には『婚儀の犠』という儀式があるその儀式で呼ばれたものと契りをかわすのだ。

「俺は『龍王』だ龍王は誰とも結ばれない。」

黒髪の男性が言うとカルメンはフンと鼻をならした。

「龍達に嫌われて何が龍王だ、私と契りを交わしたからだと言いたいようだが。そなたに従う龍達はいなかっただろう。黒髪に産まれるのだけが龍王の資格ではない。とにかく私はこの子を産む、そなたが父になるきがなくてもな。」

カルメンはそういいはなち分厚いタペストリーを乱暴に下ろした。

残された『龍王』は足音をひびかせ怒りながらさっていった。


ネプチューン王国の長老守龍がおなくなりになられた。

今の守龍の父である長老は『龍王』ではなくネオスの龍使いに見守りを遺言を残した

プライドの高い龍王は怒った。


力がないのはカルメンと子供のせいだと、とうとうカルメンを地下に幽閉し産まれて間もない息子を『マーシャン』の谷に捨てた。


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