めんめ
「少しだけ、嬉しかった」
きょとん、と。目を丸くします。
坊ちゃんは笑っていました。
「僕は、考えたことがなかったんです。僕の目が、何かの役に立つかもしれないということを」
坊ちゃんは、とても嬉しそうにしていました。
「僕は少しだけ、嬉しかった」
水たまりの消えた庭の名残を足で小突いて、僕は恥ずかしそうにしました。
「僕は、生きていてもいいのですね」
当たり前ですよ、坊ちゃん。
溢れそうになる贖罪を堪えて、私もまた、笑いました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます