第10話「ウィルスサイクル」
「……げほっ」
悠都は風邪で、咳き込み苦しみながらベットの上で寝込んでいた。
普段なら鳴月が看病しに来てくれただろうが、生憎大学の研修で数日間は悠都達の家に来ることはない。
だが悠都にとって鳴月に看病されることよりも、舞音が看病をしに来てくれることに期待していた。
そして、ついにその時が来た。
外側から扉をとんとんっと二回、ノックする音がした。
「入っていいぞ」
大喜びで悠都は返事をした。
「わっおぅ、舞音いらっしゃい」
「…………」
本人の期待通り入って来たのは舞音だった。
「看病しに来てくれたんだね!」
悠都は大喜びでベットから体を起こして、舞音を歓迎する。
「……勘違いするなよ。 貴様はそのまま病気で死ぬことを私は心の底から望んでいる。 しかし、深空がバイオ◯ザードもびっくりの世界最悪のウィルスに感染しないようにする為に、仕方なく看病しに来てやっただけだ」
「もう舞音はツンデレなんだから」
「ふむ、私がか? ツンデレではあるかもしれんな。 貴様にツンのみ、深空にデレのみだ」
「そんなことないだろ。 俺にもとびっきりのデレがあるだろ」
「とびっきりとは?」
「それはもちろん俺に18禁的な内容を――」
「それはグロという意味でだな。 そういう意味でのデレなら、私も貴様にあるかもしれんな」
「そうじゃなくて、エロい意味では……」
「皆無だ。 そういうことは鳴月さんに求めることだな」
「ん? なんで鳴月に?」
「…………分からないならいい」
「看病ってことは体を拭いてくれたりとか……」
「貴様の体に触れるわけがない。 おかゆを持って来てやった。 勝手に食え」
「まさか俺の為に作って」
「見て分かるだろ」
舞音が持って来たおかゆは、温めるだけの簡単なレトルトものだった。
「俺の為に舞音の愛で温めてくれたんでしょ? もうそれで俺の心は癒されて――」
「愛ではなく電子レンジでだ。 貴様に愛など微塵もない」
「食べさせてよー」
「断る」
「それなら深空を呼んで食べさせてもらおうかな~」
「……まあいいだろう」
舞音は悠都の脅しに屈しておかゆをすくうと、口の前に持っていた。
「あーん……ほら、舞音も」
「ちっ……あーん」
舞音も渋々言いながら悠都の口の中におかゆのすくわれたスプーンを入れた。
「んー、美味しい。 舞音の愛の味を感じるよ」
「市販の物だと言っている。 愛を感じるならば、それを別な人物の愛だ」
「とにかく、もう一口プリーズ」
苦い顔しながら舞音はまた悠都の口の前に、おかゆの入ったスプーンを持って行った。
「……はむっ」
「っ!?」
だが今度はスプーンを口の中に入れず、あろう事か舞音のスプーンを持つ指に悠都はしゃぶり付いた。
「はむはむ……」
「なぁ…………なぁ……何をするぅぅぅぅぅ!!」
舞音の顔は怒りで瞬く間に赤く染まる。
指を引き抜こうとするが、スッポンの様に吸い付いて抜けない。
悠都の頭を殴りつけて、やっとのことで指が抜けた。
殴られた悠都は倒れたが、下がベットだったので拳の衝撃だけで済んだ。
殴られたにも関わらず、悠都の心は満足感で満たされていた。
「……貴様なんてなんことした! 指が腐ってしまう! 一刻も早く殺菌消毒しなければ……。 最悪切り落とさなければならん! くっ、もう何があろうと、貴様の看病などしないからな!」
そう言い放つと、舞音はおかゆを持って扉を荒々しく閉めて部屋を出て行った。
舞音がいなくてなって、また布団をかけて眠ろうと目を瞑った。
だが直ぐに閉められた扉がまた開いた。
舞音が戻って来たのかと期待したが――
「お兄ちゃーん、深空のパーフェクト看病教室はじまるよー。 天才的シスコン目指して! かんばっていってねっ!」
深空が騒がしく入って来た。
「お前の看病はいらん。 自分の部屋へ帰れ」
「深空のパーフェクト看病プランを聞けば、是非お願いしますって言いたくなるよ!」
「…………一応聞いておこう」
「添い寝だよ!」
「帰れ。 今日はお前に構ってるほどの体力はねぇんだ。 それに風邪がお前にもうつっちまうぞ」
「むしろ、ちょうだい! お兄ちゃんのウィルス欲しいですっ!」
「おい、布団に入ろうとするな!」
抵抗するが体力の落ちてる悠都では、深空の侵入を完全に阻(はば)むことは出来ずに、深空に力に押されていた。
「人にうつせば治るっていうから、深空にうつしてお兄ちゃんは風邪を治して! かわりに深空が犠牲になって、お兄ちゃんの愛のウィルスを堪能するから!」
「堪能って言ってる時点で、犠牲じゃねぇだろ。 お前が楽しみたいだけだろが! だいたい愛のウィルスってなんだよっ!」
「それでも治ることには変わらないよ。 だから今週のお願い!!」
「一生のお願いみたいに言うな!! 全力で断る!!」
「お願い」
「いーやーだー!!」
悠都の抵抗も虚しく深空の体は、布団に徐々に潜り込んでいた。
その時、また扉が開いた。
「おかゆまで持っていってしまったが、おかゆくらいはくれて……やる……」
おかゆを持って舞音が入って来た。
舞音が目にした光景に唖然と体を固まっていた。
「何をしている……?」
「ま、舞音、勘違いするなよ! これは深空が勝手に――」
「お姉ちゃんには関係ないよ。 ただのお兄ちゃんと添い寝しようとしてるだけだよ」
「そい……ね……だと……」
光が消えた瞳をした舞音がゆらゆらと、左右に揺れてベッドに近付いた。
「待って舞音! いつもは嬉しかったりするけど、今日は体調が優れないから、全力のプレイは流石俺でも身体がついて――」
「知ったことかぁぁぁ! 二回死ねぇぇぇぇぇえ!!!!」
悠都は気絶という名の睡眠を十分にとって、次の日には悠都の病気は治っていた。
深空は強制的に舞音によって連れ出された。
翌日には、今度は舞音が熱を出して、学校を休んで寝込んでいた。
「くっ……私は死ぬのか……? あいつの病原菌に感染しては……当然か……」
意識が朦朧(もうろう)としているせいか、ただの風邪で大袈裟な独り言を呟いていた。
「ごほっげほっ……これならば深空をもっとペロペロやくんかくんをしたかった」
とんでもないことまで呟いていた。
「せめて、死ぬ前に……死ぬ前に深空にキスを……。 別れの愛のキスを」
すると舞音の願いが通じたかのように、扉がそっと開いた。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
「おお、深空よ。 来てくれると信じていた。 私はもう駄目だ。 せめて、私の最後を看取って欲しい」
「それは大袈裟なんじゃないかな」
「もう一つ頼みがある……。 別れのキスを」
「ふぇ?」
人差し指を顎に当てて、意外にもどうしようか考えていた。
そして、考えた末に意外な返答が来た。
「うん、いいよ」
「っ!?」
言った当の本人も目を丸くして驚いていた。
「それじゃあ……」
舞音の顔に深空の顔がゆっくりと近づく。
舞音は反射的に目を瞑り、徐々に心臓は鼓動が速くなっていった。
そして、ついに舞音と深空の唇がそっと触れる。
「んっ」
柔らかな唇に触れてる気持ち良さに、舞音の声からつい声が漏れる。
そして、五秒ほどで二人の唇が離れた。
ほんの一瞬だったがそれは舞音は永遠とも思える、至福のひと時だった。
感慨に浸るように舞音は時が止まったかのように、ぼんやりと止まっていた。
急に我に帰ったように声を出した。
「深空、私は――」
「これで深空も――お兄ちゃんのウィルスに間違いなく感染したよっ!」
「そ、それはどういうことだ?」
「お姉ちゃん、お兄ちゃんの風邪がうつったでしょ? だから、お兄ちゃんのウィルスを間接感染させてもらったんだよ」
深空は舞音の看病をしに来たのではなく、風邪をうつされに来たのだった。
「しかし、深空。 私とキ、キスしたのはドキドキしたであろう?」
「へぇ? しないよ。 だって、お姉ちゃんとキスするなんて、スプーンにキスするのと同じだよ」
つまり、それくらい気にも留めていないということだった。
「ふふっ、零距離で吸ったから、これで深空もお兄ちゃんのウィルスで風邪引くはず……早速備えないと! じゃあ深空いくね」
深空は部屋を出て行った。
残された舞音だったが、理由はともかくとして、深空とキス出来たことに舞音は満足している。
しかし、その幸福感を台無しにする声が舞音の部屋の外からした。
「あれ、お兄ちゃん」
「深空、舞音の部屋行ってたのか。 まさか看病に?」
「全然違うよ。 お兄ちゃんのウィルスを間接感染させてもらいにー」
「お前、またバカなことを……」
悠都は頭を抱えて呆れていた。
「お兄ちゃんは?」
「ふふふっ、もちろん俺は舞音の看病だっ!」
それを部屋の中から聞いた舞音は即座に鍵をかけた。
そして、少し遅れて悠都が舞音の部屋を開けようとしていた。
「あれ、鍵かかってる?」
悠都が舞音は安堵したが、それもつかの間
「よっし、神の指先で……」
外から鍵を開けようとする音が聞こえて、数秒でドアノブがあっさりと回る。
安堵が一変して焦り変わり、扉を開かないように背中で押さえる。
「あれ、鍵が解いたのに空かない?」
尚も開けようと強く悠都は押すが、舞音も負け時と逆方向から力を込めて押さえる。
「舞音いるんだろー! 愛するお兄ちゃんが全身全霊で看病しに来たよっ! そして、結婚してくれぇぇ!」
「せっかく、安らかな気持ちで眠りにつけるところだったというのに! 来るなっ! 開けるなっ! 帰れっ!」
「僕と契約して恋人になってよ。 そうすれば、どんな気持ちいいことだってしてあげられる。 風邪だって直ぐに治るさ」
「貴様と恋人になった直後に、絶望して魔女に落ちてしまうわっ! とっと死ねぇ! 死んでしまぇぇぇ!」
それからの一時間もの間、2人は扉を押しあっていた。
結局、諦めたのは悠都の方だった。
そして、汗をかいたのが逆に良かったのが、次の日には風邪はすっかり治っていた。
翌日には、今度は深空が風邪を引いていた。
だが苦しむどころか――
「お兄ちゃんのウィルスで風邪を引いてた~♪ ぐへへへへ」
間接とは言え、悠都からのウィルスと思うと、風邪の苦しみすらも堪能するべきことだった。
なので、深空は掛け布団を抱き枕の用に抱きしめながら、ベッドの上でゴロゴロと左右に転がりながら喜び悶えていた。
「深空、布団をきちんとかけて、もう少し落ち着いた方がいい。 じゃないと治らないぞ」
ベッドの横で舞音が、深空の看病しようと椅子に座っていた。
舞音は深空が元気になるまで、寝ずに看病する覚悟だった。
「看病はいらないよ」
きっぱりと深空は断った。
「深空に風邪をうつしてしまったことは、本来は私の命をかけても償えることじゃないのはわかっている。 だが私が命を絶ったところで、深空の病気が治るわけではない。 だから、せめて看病だけでもさせてくれ! 頼む!」
看病する側が土下座して懇願している。
「お姉ちゃんのことは恨んでも……なんとも思ってないし、治りたくもないから、看病してもらわなくていいんだってば」
もう何度も同じ会話を繰り返して、呆れ果てて深空はため息をつく。
「あ、でもお兄ちゃんにならしてもらいたいなー」
「奴が来るわけがない。 だから私が……」
「そうだ! なら深空から看病されに行けばいいんだ! 治らなくていいけど!」
布団を頭から被って、ベッドから深空は起き上がる。
「深空それだけやめるんだ! 奴の元に行くのは、裸で極寒の地に行く以上に酷くなってしまう! 病気が悪化する程度じゃ済まないぞっ! 命に関わる!」
こうと決めた深空の行動は早かった。
舞音の必死の静止を無視して、深空は布団を引きずって部屋を出て行く。
仕方がないので舞音は深空の枕に顔を埋めで、深空の匂いを十二分に堪能すると、深空の汗をたっぷり吸ったタオルを回収して部屋を出て行った。
「深空様華麗にさんじよ……ごほっごほっ」
悠都の部屋に入った。
無理に高い出た声を出そうとしたものの、咳き込んでしまっていた。
「て、お兄ちゃんいない!?」
部屋のどこにも悠都の姿はなかった。
広い自宅から広間やフィギュアなどが置かれコレクション部屋など、兄が行くような部屋へと重い布団を被って走り回っていた。
それでも兄の姿がなかった。
ここまで探していないのだがら普通出掛けたのかと思い、諦めるべきなのだろう。
しかし、それでも深空は諦めない。
「仕方がない。 最終手段なんだよ」
深空の垂れていたアホ毛がぴんっと、垂直に立った。
悠都は鳴月用の部屋で鳴月のPCにインストールして、18禁のゲームをしていた。
深空が来ると察して、鳴月がいる時でもないと、訪れることのない、この部屋へと避難していた。
悠都達の家とは言え、数多くの私物もあるわけなので、この部屋の鍵は鳴月しか持っておらず、悠都も入られるわけがないのだが、舞音の部屋の鍵を開けれる悠都にとって、この部屋の鍵を解除することも造作もない。
悠都が今18禁のゲームしてるノートパソコンも鳴月の私物だ。
教えられてもないはずのパスワードを入力して起動させると、勝手にインストールまでしてプレイしていた。
だが後日、削除するのを忘れて放置されたままのゲームが鳴月にバレて、半殺しにされることを悠都はまだ知らない。
――ふふふ……ここなら深空も分かるまい。
安心しきって悠都はゲームしていた。
「ふふふ……見つけた……見つけた……おにぃ……ちゃん……見つけた……ミツケタ……オニィチャン……ミツケタ……」
深空が布団を被って、ゾンビのように這うようにして、部屋に入って来ていた。
病気が原因で、いつものような元気もなく、正気を失ったかのように、同じ言葉を呟く様に繰り返していた。
「なにこれ、こわっ!?」
下手なホラー映画より怖い光景だった。
「…………はっ!? 深空は何を?」
悠都に怖いっと言われたショックからか正気を取り戻していた。
「あ、お兄ちゃん、見つけた」
兄に狙いを定めて立ち上がると、病人とは思えない勢いで、悠都の目の前まで近づいた。
正気に戻っても、出た言葉は一緒で、大して変わらなかった。
「……大丈夫か?」
流石に悠都も心配する。
「フラフラするけど深空は大丈夫! だから、部屋で深空を看病して!」
「大丈夫なら看病する必要ないだろ」
「大丈夫だけど、大丈夫じゃないから看病して下さい!」
「おい、言ってることが支離滅裂だぞ」
「そんな事ないよ。 深空の風邪はお兄ちゃんに看病される時に大丈夫じゃなくなって、他の時は大丈夫になるんだよっ!」
「なんだ、その都合のいい風邪は!?」
「深空の全てがお兄ちゃん仕様なんだから、風邪だってお兄ちゃん仕様なんだよ!」
誇らしい気に深空はない胸を張っていた。
だが力が抜けるように深空は倒れた。
「おい!?」
「……ふにゃー」
屋敷を歩き回って体調が悪化して、気絶までしていた。
流石に悠都もこんな状態の深空を、放置することは出来なかった。
なので、車輪のついた椅子に深空を座らせて、その椅子を引っ張って部屋まで連れて行った。
「あいつら大丈夫だったかな……」
鳴月が大学の研修が終わって、土曜日の昼間に悠都達の家に向かっていた。
行かなかった数日に、何かやらかしていないか心配していた。
屋敷に着くと、鍵を開けて中に入る。
「来たわよ! 悠都! 深空ちゃん! 舞音ちゃん!」
広間に着くと、大声で三人の名前を呼ぶ。
広い屋敷とは言え、これだけ声を出せば広間からなら、三人の部屋まで声が届いてるはずだ。
だが、返答どころか物音一つなく、しーんっと静まり返っていた。
悠都と深空は昼間でも寝てることは日常茶飯事なので、不思議には思わなかったが、舞音まで来ない事が気になっていた。
留守も疑ったが、兎に角、悠都の部屋へと行こうとした。
その時、死角だったソファーの後ろが目に入る。
そこで鳴月が見たのは、舞音が顔を真っ赤にして倒れている光景だった。
「ちょっと大丈夫!?」
慌てて駆け寄って、舞音の額に手を当てる。
「熱あるじゃない! と、とにかく、ちゃんと寝かせないと……悠都は何してるの!?」
抱き上げるとソファーに舞音を寝かせて、悠都の部屋に向かうが部屋の前で深空までも倒れていた。
「深空ちゃんも!?」
「うぅ……お兄ちゃんの看病しないと……あぅぅ……」
深空のうわ言に嫌な予感がして、悠都の部屋を覗く。
「舞音の……看病に……行かないと……」
案の定、悠都も部屋の真ん中で倒れていた。
「もう……どうなってるのよぉぉぉぉぉ!」
その日、鳴月は泊まり込んで高熱を出してる3人の看病をした。
献身的な鳴月の看病の甲斐あって、翌日には3人の熱は平熱にまで下がっていた。
だが、鳴月は寝ずの看病でへとへとに疲れていた。
「うぅ……ごほっ……」
月曜の午前中――鳴月は風邪からの高熱を出して大学の講義を丸一日休む羽目になっていた。
両親は仕事で、弟が学校の為、鳴月は一人家で大人しく寝ていた。
――ピンポーン。
玄関からチャイム音が鳴る。
立つ事すらままならないので、居留守を決め込むことにした。
――ピンポーン…………ピンポーン。
だが、いつまで待ってもチャイム音が鳴り止む事はなかった。
あまりもしつこくこれ以上無視も出来なかった。
来訪者に風邪をうつさないようにする為にもマスクをすると、渋々重い腰を上げて玄関まで行って扉を開ける。
「はーい……どなたですか……?」
「看病しに来たぞ。 大丈夫か?」
開けた先に居たのは、悠都と深空と舞音だった。
「看病……あんた達が……?」
「まぁな。 どうせ、俺ニートだから時間はあるし」
「深空も不登校だし」
「私は今日学校を休んだ。 土曜日には面倒かけたからな」
この三人が看病にきてくれたことは意外で、その好意は鳴月には嬉しかった。
だが、このメンツでの看病には嫌な予感しかしなかった。
「嬉しいけど……気持ちだけで遠慮しとくわ……」
「遠慮するなって。 鳴月にいつ恩を返すの? 今でしょ!」
「深空のパーフェクト看病教室ver2に任せておいて」
「鳴月さんは全て私に委ねればいい……受け入れよ」
結局、鳴月は三人の看病を受ける事になった。
そして――
夜には鳴月の風邪は悪化して、その週分の講義を全て休む事になった。
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