麗華剥かれる
裸電球が一つ下がっているだけの薄暗い部屋に監禁されてしまった蘭子達。
悪徳霊能者の大林蓮堂は彼女達を使って何をしようというのか?
瞬き以外全く身体を動かす事ができない蘭子達は、只薄汚れた天井を眺める事しかできなかった。
『何かいい方法はないの、もう一人の私?』
蘭子がもう一人の自分である裏蘭子に尋ねた。
『どうしようもないよ。身体が動かせないんじゃ、何もできない。優秀な霊能者が三人も揃ってまんまとあんな三流のジイさんにしてやられるとは、本当に情けないぜ』
裏蘭子の暴言に蘭子はムッとしたが、
『申し訳ありません、西園寺先生。私がヘマをしたせいで……』
弟子の小松崎瑠希弥の心の声に裏蘭子に言い返すのを思い止まった。
『お前は悪くない。そばについていて何もできないもう一人の蘭子と麗華が情けないんだ』
裏蘭子の言葉に蘭子は返す言葉がない。確かに裏蘭子の言う通りだからだ。
『蘭子さん、ええ方法ないんですか?』
裏蘭子には腰が低い八木麗華が心の声で話しかけて来た。
『お前が犠牲になって私達を助けろ、麗華』
裏蘭子の冗談とも本気ともつかない提言に麗華はギョッとしたようだ。
『あはは、悪い冗談ですよ、蘭子さん』
麗華は顔が引きつっていた。
するとそこへ蓮堂が既に手中に落ちている柳原まりと戻って来た。
まりは徳利と盃を載せたお盆を無表情に持っていた。
「さてと。お前らを肴に一杯やってからじっくりと可愛がって進ぜようか」
蓮堂の下卑た笑いに蘭子と瑠希弥はゾッとした。
『所詮はエロジジイか、こいつ?』
麗華がムッとして言う。
まりはお盆を床に置き、部屋の隅に下がって正座した。
「下品な女だが、いい身体をしているな」
蓮堂は麗華の横に胡坐を掻き、徳利を取って盃に酒を注いだ。
『このエロジジイ、ウチに触るんやない!』
麗華は蓮堂を睨みつけるが、蓮堂は右手で盃を傾けながら左手で麗華の服のボタンを器用に外し始めた。
『やめえ、やめんかい!』
麗華は抵抗しようとするが、動くのは瞼と眼球のみ。どうする事もできない。
「おお」
遂に服の前がはだけ、ブラが剥き出しになる。黒のシースルーだ。
蓮堂は目を細めた。
「ほう、これはまた刺激的な下着だな。下品なお前が身に着けそうで笑える」
『余計なお世話じゃ!』
麗華は激怒していたが、蘭子は笑いそうだ。瑠希弥は麗華の下着に驚いているようである。
蓮堂は右の口角をクイッと引き上げると、麗華のブラをゆっくりとずらしていく。
『アホ、殺すぞ、ジジイ! それ以上触るな!』
麗華は目に涙を溜めて心の中で叫ぶが、蓮堂はそのままブラを完全にずらしてしまった。
麗華の豊満な乳房がプルンと飛び出す。
「これはこれは」
蓮堂は乳房に顔を近づけた。
『くさ、臭いわ、ジジイ! あんた歯ァ磨いてるんか? 口臭過ぎやで!』
顔を背ける事もできないので、麗華は蓮堂の口臭地獄から逃れられない。
「さて、酒の肴にしようかの」
蓮堂は徳利を持つと、麗華の乳房にトプトプと酒を垂らした。
『あつ、あつ! 熱燗過ぎる! 何て事するねん、変態ジジイ!』
麗華は泣きながら蓮堂を睨む。蓮堂はニヤリとして再び乳房に顔を近づけ、
「美味そうだ」
と言うと、舌で乳房を舐め始めた。
『ひいい!』
麗華は心の中で絶叫していた。蘭子と瑠希弥はその声を聞きながらもどうする事もできない。
「ほうほう、熱燗が人肌になって、また格別だ」
蓮堂はそう言いながら更に麗華の乳房を舐め回した揚げ句、舌の先で乳首を突いた。
『絶対殺す、ジジイ!』
麗華は更にヒートアップしている。
「次はわかめ酒といこうか」
蓮堂はひとしきり乳房を舐めてからそう言った。
『わかめ酒って何?』
蘭子が尋ねる。すると麗華が、
『あそこに酒を浸して啜るんや! 変態の極致やで!』
『あそこ?』
そこまで言われてもチンプンカンプンな蘭子に麗華は呆れてしまう。
『太腿をぴっちり合わさせて、○○○○に酒を注いで、啜るんや!』
麗華はそのものズバリの言葉を使って説明した。さすがに関西風は恥ずかしいのか、関東風に言った。
『えええ!?』
その手の話に疎い蘭子も仰天した。もっと純情な瑠希弥はすでにオーバーヒートしている。
蓮堂は麗華の短いスカートを下ろし、シースルーのパンティを剥ぎ取った。
「さて、起きてもらおうか」
蓮堂は麗華を起こし、正座させる。そして上体を後ろに反らせた。
「少し毛深いが、まあそれも一興だな」
蓮堂は目に涙を一杯溜めて彼を睨んでいる麗華を見て言った。
『
麗華は強がりを言いながらも心が折れそうだった。
「
蓮堂は麗華の秘所を覗き込んだ。そして徳利を傾け、そこに酒を注ぐ。
『蘭子ォ!』
麗華の心の底からの叫びが裏蘭子に響いた。そして何かが弾ける音がした。
「はああ!」
蘭子の身体から凄まじい気が発する。その影響で天井の裸電球が大きく揺れ出した。
「何!?」
わかめ酒を堪能しようとしていた蓮堂がギクッとして顔を上げた。
「エロも大概にしておけ、クソジジイ!」
裏蘭子の気の力が不動金縛りの術を打ち破ったのだ。
裏蘭子は仁王立ちで蓮堂を睨みつけた。
「不動金縛りの術を解くなど、あり得ん……」
蓮堂は仰天して麗華から離れ、まりに近づいた。
「あいつを倒せ」
蓮堂の囁きにまりはゆっくりと頷き、立ち上がった。
『どうするの、もう一人の私? まりさんには真言は通じないわよ』
後ろに引っ込んだ本来の蘭子が言う。
「どうするもこうするも、何とかするしかねえだろ、この状況は」
裏蘭子はニヤリとして言い放った。
まりの気が爆発的に高まる。
「しかもこの部屋は結界の間。いずれにしても真言は使えねえってか?」
裏蘭子は危機的状況を楽しんでいるかのように笑みを浮かべた。
『蘭子さん、私に考えがあります。金縛りを解いてください』
瑠希弥が声をかけた。裏蘭子は瑠希弥を見て、
「わかった!」
と叫ぶと、気を高めて瑠希弥を縛る術を吹き飛ばした。
『あのお、蘭子さん、ウチも解いてもらえまへんか?』
麗華が懇願した。
「お前はそのままでいいだろ」
『そんな殺生な……』
麗華はまた泣きそうだ。
『そんな意地悪言わないでよ、もう一人の私』
表の蘭子が
「はあ!」
麗華も身体の自由を取り戻し、服をまとめた。
「お前ら、この私に逆らうとどうなるか思い知るがいい!」
蓮堂がまりの陰に隠れて叫ぶ。
「それはこっちの台詞だよ、エロジジイ。この西園寺蘭子様に楯突いた報い、きっちり受けてもらうぜ」
裏蘭子は蓮堂を指差して言い返した。
「うるさい! やってしまえ!」
蓮堂がまりに命じた。まりは無表情のままススッと前に出ると更に気を高める。
「私にやらせてください」
瑠希弥が裏蘭子の前に出た。裏蘭子は腕組みをしてフッと笑い、
「瑠希弥、頼んだぜ」
瑠希弥は気を高め続けるまりを見た。
(まりさん、もうすぐ助けるからね)
感情を完全に封印されてしまっているまりの目に自分はどう写っているのだろうか?
瑠希弥はふとそんな事を考え、悲しくなった。
(まりさんの気はわかっている。質が変わっていなければ、必ずうまくいくはず)
瑠希弥は自分の気を高め始めた。
「やり合うつもりか? 無茶やで、瑠希弥」
服を着直した麗華が言うと、
「瑠希弥はそこまでバカじゃねえよ」
裏蘭子が言った。
『瑠希弥の気、感応力を使っているわ。まりさんを救おうとしているのね?』
表の蘭子が囁く。裏蘭子はニヤリとして、
「瑠希弥らしいな。本当に優しい子だ」
瑠希弥とまりの戦いがまさに始まろうとしていた。
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