第2話 知らせ

2010年10月13日

 アルバイト先で仕事中、父からメールが届いた。

「お母さんが緊急で入院することになりました。詳しくはまた連絡します」


 以前に転んで足の甲を骨折したこと、腰の骨を折って入院したこともあり、また転んでどこか怪我したのかと思っていた。でも何か胸騒ぎがして落ち着かず、外へ出て父に電話をした。

「お母さん、どこか怪我したの?」

「定期検診で検査したら別の病気が見つかって・・・もしかしたら重大な病気かもしれない」

「どういうこと?」

「二つの可能性があって、一つは入院して治療を続ければ助かる。二つめは命にかかわる病気で・・・助からないかもしれないって・・・」

 父が電話越しに泣いた。ただならぬ気配に事の重大さを感じた。

――信じられない・・・風邪一つ引かないような健康なお母さんが命にかかわる病気?

 母の顔が頭に浮かんで、居ても立ってもいられなくなった。

「すぐ帰るから。家で待っていて」

「着替えとか入院の準備をして待っているから」

「うん、荷物を持って一緒に行こう」


 すぐに長兄と次兄に電話で報告をした。二人とも同じく信じられない様子だった。母のことが無性に心配になってくる。バイトを早退して急いで家に帰った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る