第39話 の雨って・その後
パパの仕事が終わる時間まで待って、パパと一緒に歩いて帰ったの。
途中でココストアー(石垣島にはコンビニはココストアーしかないの)に寄り道をして、パパは缶コーヒーを私はマブヤードリンク(シークワーサー味)を買って。
「夏実さんにいっぱい聞いちゃった。別れた理由とか」
「そうか、お互いの問題だからな。夏実はいつだって自分には子どもが居るからって後ろ向きだったからな。それをどうする事も出来なかったのが残念かな」
「でも、感謝してるって言ってたよ」
「感謝されるような事は何もしてないよ。当たり前の事をしてきただけだ」
「本当にパパは凄いのか凄くないのか判らないよね」
「どこにでも転がってるだろ、こんな男は」
無性に腹が立ってきた、自分の事を卑下し続けるパパの態度に。
そして秋香ネーネや茉冬ネーネが楽しそうに思い出を話す顔が頭に浮かんできた。
「そんな事を言うパパは大嫌い! パパはこの広い世界の中でパパ1人なんだから!」
悔しくて涙が溢れてくる。やっと美緒がパパと色んな時間を積み重ねようって決めたのに……
「泣く事は無いだろ、帰るぞ」
そう言いながらパパが私の頭をクシャって優しく撫でて掌をヒラヒラさせながら歩き出した。
「ずるい! 嬉しい癖に、へそ曲がりの天邪鬼!」
パパのお尻を思いっきり蹴り上げて走り出した。
「暗いんだから走ると危ないぞ」
そんな事を言いながら嬉しそうな顔をしてパパが早足になって追いかけてきた。
なんだかそれがとても嬉しかった。
『ママ、ゴメンね。期待に添えそうにないや』
心の中で舌を出してママに謝っちゃた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます