第1弁 Dandelion 前編
気づけばそこは、ベッドの上だった。
まだ視界がぼやける中、頭を起こそうとするが…
「痛あああっっっ!!!」
思いっきり頭を天井にぶつけた。
なんだこれ。不意打ち過ぎる。
「おっ?起きたか、小僧。」
ベッドの下からおっさんの声が聞こえた。
「あ、天井に頭ぶつけちまったか?そりゃ悪かったなー。それより、天井壊れてねぇか?」
いや、そこは天井の心配じゃなくて俺の心配をしろよ!!
「まぁ、いい。さっさと降りてこいよー。」
降りてこいっていわれてもなぁ…
俺は天井に頭をぶつけないようにベッドにかけてあるハシゴに足をかけた。
二段ベッドでこんな天井が近いってどういうことだよ…
「なんだ、小僧。お前全然ピンピンしてるじゃねぇか。よかった、よかった。ガハハハハ!!!」
ハシゴを降りたところにいたのは俺の1.5倍はあるであろうどデカいおっさんだった。
おっさんは笑いながら俺の肩を叩く。めっちゃ痛い。痛いから。痛いっつうの!!!
俺は視線でおっさんに威嚇した。
「お?なんだ?どうした。腹でも減ってんのか?」
そう聞かれると自分がものすごく空腹なことに気づいた。そして、
「グウアウアアアアウウ~~~」
まるで番犬の鳴き声のような音が俺の腹から鳴った。
「ガハハハハハ!!やっぱ腹減ってんだな!よし、今日だけは特別だ!お前の入団祝いでもあるしな!よーし、ちょっとこっち来い!!」
ん?入団?なんのことだ?
まぁ、いい。何か食えるんならそれで…
って、あれ。俺って死んだんじゃなかったのか?でも、あの時の光は?もしかしてここは死後の世界?どうなってるんだ?
「おい、どうしたー?早く来いって。」
おっさんが部屋のドアを開けて待っている。
俺は恐る恐るドアをくぐる。
そこには………!?
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