第34話 もっと早くモンス島の鑑識について触れるべきだった
ヴィーシニャ崩壊を機に、ヴィーシニャがいつ消えたのか、リカ班が倒れた理由について本格的に調べ始めることになった聖女親衛隊及びモンス島の警察組織。
「嘘だろ……」
「現ヴィーシニャの部屋やリカ班メンバー、あとバラバラヴィーシニャとマナ様の体とかに残されてた第三者の魔法鑑定結果に……」
「「「「全部、
モンス島は我々の世界と違って魔法が存在し、しかもほぼ万人共通のものである。
読者諸君はいろんな魔法が使えたら何をする? 世のため人のため使う? 本心を言え、己の欲のために使うだろう!
その魔法使用による犯罪を考慮してモンス島には、DNAを鑑定するが如く、魔法の使用者を鑑定する技術がある。
幾多の魔法使い……否、モンス島の犯罪者達が、それをくぐり抜ける術を確立しようとしたが、魔力を使わないことと因子の能力を使うこと以外の方法を確立したものは誰一人いない。
かの完璧過ぎる大魔導師すらその例外ではなかったようだ。いや、むしろ……。
「まさかフォーレの胸元と、リカ班長とフォーレ以外の班員みんなの下腹部に、堂々とロリ以下略の名前のスペル『
「妙だよな……。ところでヴィーシニャの部屋のドアと壁の隙間や、ベッドの周辺に、ロリ以下略の魔力が付いた日付と時間、見たか?
……オレたちがヴィーシニャを見張ってた日、もっと言うとヴィーシニャに誕生日プレゼント渡した日の夜だってさ」
「そうですか……今悔いても仕方ありませんが、どうしてあの日私は、ヴィーシニャさんの部屋の出入口にウリッツァの白砂場を設けるよう提案してしまったのでしょう……」
「し、知らないよそんなの……。
あと、バラバラになったヴィーシニャの体や、交代式の日に倒れた先代聖女マナ様の体や服にもロリ以下略の名前とかが記されてたって話だよ。
……にしても、なんでマナ様の情報、今上がったんだろう?」
あとは、ロリ……以下略の居所を突き止め、そちらにいるであろう聖女ヴィーシニャを保護し、彼に細かいことを聞き出すだけ……なのだが、実は聖女親衛隊等は彼の居所と思わしき場所は既に掴んである。
なぜか、交代式のマナ人形の服のタグに、ばっちり書いてあった。
問題は、何度そこを訪ねても肝心のロリ以下略が現れないことだ。
ロリ以下略の双子の兄だとか、双子の兄の息子だとかばかりが出て来て、ロリ本人は手が離せないだなんだと、とにかく全く出てこない。
とはいっても、あの聖女交代式より前の日にロリ以下略の兄が立ち会うそばで生存は確認されている。
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