第11話 モンス島の魔術

 何度も言っている気がするがモンス島において魔法は民衆の大多数が扱えるものである。

 モンス島で生まれた子供は血液検査で体内にある魔力マナの量を調べられて、その量に応じて魔力110以上マナオーバー魔力50以上110未満ハイマナ魔力50未満ローマナに分類される。


 その魔力を言の葉に乗せたり、指などを動かして魔力を拡散させたりして魔法を使う。

 人は体内魔力の十倍回、魔法が使え、平均体内魔力量は25である。


 例えばウリッツァの体内魔力はたったの10で百回しか魔法を使えないが、

マギヤは58で五百八十回、トロイノイは28で二百八十回、プリストラは48で四百八十回魔法が使える。

 ちなみにこの「魔法が使える回数は魔力の十倍回」というのは一度の魔法で消費する魔力が全て一だけだったらの話である。

 戦闘や魔法の授業などと無縁な環境にいるなら、平均魔力でそれなりの生活を過ごせるが、ウリッツァ達は学生。

 だが、これは特に気にする必要はない。

 魔法を使う授業の合間に魔力回復のための昼寝の時間がある。

 三十分も寝れば平均魔力分は回復できる。


 それよりも気にすべき点はウリッツァ達が聖女親衛隊日常警護班に所属しているということ。

 任務中にいざ聖女の危機となれば魔法などで対処していかなくてはならない。


 仮に戦うとして、魔力を一だけ使った炎の魔法なんて、ほんの小指の先程度の炎しか出せない。

 水や氷や土の魔法でも同程度の固まりが浮かぶ程度だし、風の魔法でも小石を数ミリ転がすのが精いっぱいである。


 そこで魔法を使う回数をもう数回消費して魔法の威力や効果範囲を大きくするのだ。

 最大消費回数は十回。

 ウリッツァの場合、最大の魔法を使えるのが十回だけの計算になる。

 ちなみに魔力が全て尽きたらその場で気絶する。



 魔法の主な分類の一つとして属性魔法がある。

 よく言う四大属性――火、水、風、土――の魔法である。

 人それぞれ魔力マナ量を検査されたついでに判定された適性があるとされた属性の魔法で戦うのが一般的である。


 火の属性は文字通り火やそれに伴う熱や爆発を、水の属性は水を始めとした液体や冷気を、

 風の属性は風や音や電気などの見えない波動を、土の属性は土や石などの固体や生物や毒を操る。

 マギヤの属性は水と土、プリストラの属性は火と風、トロイノイの属性は風と水、ウリッツァの属性は土と火である。

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