童貞戦士は最強なんですか!?
しにん。
第1話
突然だが、童貞を知っているだろうか。
そう、いわゆる〇〇歳になると妖精になるや魔法使いになる、と言われている存在だ。
人生誰もが初めは童貞だが、いつかは卒業していく。
悲しい世界だ。
童貞だと周りからバカにされ、一種の侮辱単語としても扱われる。
だから俺、古山
つまりは、卒業をするという事だ。
とうとう、俺も……この時がっ!!
「え、えーと。初めまして、古山
「初めまして〜♪さぁ、行きましょ」
童貞を守り始めて30年。
出合い系サイトで出会った見知らぬ女の子と卒業……まさに夢に見た光景だ。
ここで逃げるな
ここが勝負どころだ!!
「そ、それじゃ、始めようか……初めてだからその……ごめんね」
「童貞ですかwやった〜童貞くんゲット♪」
二人がホテルのベッドで抱き合おうとした瞬間、見知らぬ所へ来ていた。
一瞬夢が覚めたのか、と考えほっぺをつまむが痛い。これは夢じゃない。
「ここは……一体?」
「あっぶねーな!!貴様、今童貞を捨てようとしてなかったか!?」
突如響いた大きな声の方へ目を向けると、 神々しい光に包まれたおっさんがいた。
「あんた誰?」
「あ、わし?わしは神じゃよ。それよりも!!今童貞捨てようとしてなかったか!?」
「そ、そうだけど……っていうか俺の童貞卒業どうしてくれんだよ!!お前のせいで
「知るかボケっ!!貴様は童貞を捨ててはならんのじゃ!!」
おっさん、もとい神様はひどく理不尽だ。
折角の俺の夢が一瞬でパー……
何が神だ、くそったれ。
「それで、なんでダメなんだ?」
一度
流石は30歳童貞。いついかなる時も落ち着いて対処している。
「お前は童貞を守り抜かなければならない。それが世界を救う力となる」
「おっさん……頭大丈夫か……?いい病院紹介しようか?」
「お前……神相手に容赦ないな……」
神は酷く落ち込んでいた。
だが、落ち込みたいのは
夢の卒業が失敗(?)したからだ。
「おっさん、早く帰してくれ。俺は卒業するんだっ!!」
「ダメだ。世界を救ってもらうまでそれは許されない」
「世界を救えとか言うけど、ぶっちゃけ世界は平和じゃね?」
「それがそうでもないんじゃ。異世界は今もなお魔王の侵攻で苦しんでおる。そこでじゃ、お前に世界を救ってもらいたい」
異世界という単語は有り得ないと昔決めつけたからだ。
異世界とはその名の通り、今いる世界とは異なる世界。
パラレルワールドとも言われるが、現代科学では『不可能』だ。
それを目の前の神はやると言うのだ。
神だから何でもあり、なのだろうか。
「一つ質問いいか?なぜ童貞じゃないとダメなんだ?」
「いい質問だ。一般的に知られていないが、童貞歴が長ければ長いほど、魔力は練成されより強力になる。だが、条件があるそれが───」
「30歳以上ってことか?」
「話が早くて助かるわい」
神曰く、童貞とは無限の可能性。
神曰く、童貞とは最強の存在。
「勿論、世界を救ってくれたのであれば身に余る報酬を贈る。それで、引き受けてくれるかな?」
「報酬……なんでもいいんだな?」
「神に叶えられない願いなどない。何でも言ってみるのじゃ」
「それじゃ、世界を救った後は思う存分非童貞の生活をさせてもう!!いいな!!」
「その願い聞き入れようぞ」
神が指を鳴らすと世界が加速したかのように思えた。
ドラ〇もんのタイムマシンの様な空間から抜けると、見たことがない世界が広がっていた。
一見普通の村に見える。
「なぁ、おっさん聞こえてんだろ?ここは何処なんだ?」
「そこはサキュバスの里じゃよ。あとこの世界で童貞を捨てたらもう二度と戻れないから注意じゃよ」
「おい、今帰れないって言ったか!?聞いてないぞ、おいクソジジイ!!」
「てへぺろ♪」
脳内には神様、もとい、クソジジイの気持ち悪い顔だけが無限ループされる。
しかし、目の前の
とてもセクシーな女性がこれでもか、と思うほど歩いていた。
「ここは……天国……くそっ、どうして俺は童貞を守らなきゃならんのだ!!」
ここは淫魔、通称サキュバスの里。
勿論、女しかいない。
「あ、一つ言い忘れてた。童貞という称号無くしたら死んじゃうから気をつけてね」
「おい、さっき言ったことと違うくないか!?あれか、俺が聞き間違えてたのか!?」
「帰れなくなる詳しい理由言っただけじゃ……そんな騒ぐな童貞。ぷっ」
「あー、今笑ったよな。童貞笑ったよな!?」
こうして、
「童貞……ぷっ」
「神、貴様あああああああ!!」
童貞戦士は最強なんですか!? しにん。 @Shinin
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。童貞戦士は最強なんですか!?の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます