第24話 アリス、いざ天界へ!?

深い眠りからアリスが身を覚ました。そして運命の女神ディスティニーちゃんから、これまでの詳細を聞いた。



ここは人間界。アリスの学校の校庭。


「天界に殴り込むわよ!」


眠って疲れのとれた16歳の女子高生のアリスは、傲慢のルシファーをさらっていった天使どもから、傲慢のルシファーを救出すべく、天界に乗り込むと言った。


「いってらっしゃい。」


前の前にいる悪魔7人はアリスを送り出そうとしている。悪魔たちは自分たちは天界に行きたくはないのだった。


「ズコー!?」


アリスは悪魔たちの薄情さに思わずコケる。


「あなたたち! それでも仲間なの!? 同じ悪魔でしょうが!?」


アリスは悪魔たちに詰め寄る。天界に捕まっているのは傲慢のルシファー。アリスの仲間の運命の騎士ディスティニーナイトではなく、悪魔が捕まっているのだ。


「誰も捕まってくれと頼んではいない!」


憤怒のサタン。


「俺は女しか助けない!」


色欲のアスモデウス。


「助けたら、いくらくれる?」


強欲のマモン。


「助けに行ったら、お腹が減る。」


暴食のベルゼブブ。


「面倒臭いです。」


怠惰のベルフェゴール。


「みんなに助けてもらえるっていいな~。」


嫉妬のレヴィアタン。


「私は貝になる。」


無のベリアル。


「おまえら全員、切り刻んでやる!!!」


アリスの怒りは頂点に達する。


「静まりなさい!」


その時だった。不幸の女神アンハッピネスから、幸せの女神ハッピネスに生まれ変わったハッピネスちゃんが騒ぐアリスと悪魔たちを黙らせる。


「悪魔のみなさん、私たちは幸せになることが出来ました。しかし、傲慢のルシファーは天使に捕まり、まだ不幸のままです。ルシファーが天使に捕まったのも私に力が足らなかったからです。悪魔のみなさん、私からのお願いです。どうか不幸な悪魔を天使から助けてあげてください。」


幸せの女神ハッピネスは深々と悪魔たちに、天界にいる不幸な傲慢のルシファーを助けてあげてほしいとお願いした。


「ハッピネス様のためなら、この命尽きるまで戦います!」


憤怒のサタン。


「お美しいハッピネス様のためなら、どこへでも行きます!」


色欲のアスモデウス。


「お金なんていりません!」


強欲のマモン。


「運動すれば、ごはんがおいしくなります!」


暴食のベルゼブブ。


「必要なことはやります!」


怠惰のベルフェゴール。


「私が助けて、主役になればいいんだ!」


嫉妬のレヴィアタン。


「ハッピネス様、万歳!」


無のベリアル。


「ありがとう。悪魔のみなさん。」


幸せの女神ハッピネスは、協力的な悪魔たちに感謝する。


「おまえら殺す!?」


怒りが収まらないのは、アリスだけだった。


「まあまあ、アリス、抑えて。」


運命の女神ディスティニーちゃんは、怒れるアリスをなだめる。


「そうよ、みんなで天界に行くことになったんだから。ねえ、アリスおばさん。」


姪のマリーアントワネット・萌子もアリスをなだめる。


「おばさんって言うな!?」


アリスは怒りの矛先が無いので、空に口から火を吐くように、おばさんを否定した。



こうしてアリスたちは、運命の騎士ディスティニーナイト2名、変な妖精のぬいぐるみの女神2名、悪魔7名で天界に行くことになった。


「どうやって、天界に行くの?」


アリスの素朴な疑問である。


「ハッピネス!」

「ディスティニー!」


変な妖精のぬいぐるみの女神が祝福を唱える。すると点に続く、聖なる輝きを放っているエレベーターが現れる。


「天界にはエレベーターでいきます。」


ハッピネスとディスティニーは可愛く言う。


「なんでもありかい!?」


アリスは思わずツッコミをいれる。しかし、内心は空を飛んだり、危険なことをしなくていいのでラッキーと思っている。


「目指せ! 天界!」


アリスが号令をかける。ついに天界に乗り込むのだ。


「・・・おお。」


しかし、悪魔たちは乗り気ではなかった。


「悪魔たち、天界に行きますよ。」


ハッピネスちゃんが号令をかける。


「どこまでもお供します! ハッピネス様! 万歳!」


悪魔たちはハッピネス様を護衛しながらエスカレーターに乗り込んでいく。


「さすが、ハッピネスお姉ちゃん。」


妹のディスティニーナイト、姉のハッピネスちゃんに感心しました。


「悪魔ども!? やっぱり皆殺しよ!?」


アリスは悪魔の人によって態度を変えるのが気に入らなかった。それでも悪魔だからしたたかなのは普通である。


「早くエレベーターに乗ってもらえる。私がエレベーターに乗れないんだけど。アリスおばさん。」


姪のマリーアントワネット・萌子に急かされるアリス。


「おばさんって言うな!? 私はまだ女子高生だ!?」


アリスは悪魔の態度もマリーアントワネット・萌子の態度も気に入らないので、口から火を吐いて恐竜のように暴れている。


「はいはい、どうでもいいからの乗って! アリスおばさん!」


運命の女神ディスティニーちゃんと運命の騎士ディスティニーナイト2号の姪のマリーアントワネット・萌子に押し込まれ、天界に続くエレベーターを登っていくアリス。


「おばさんって言うな!」


アリスは日を吐き吠えながら天界に向かう。この怒りを不良な天使たちにぶつけてほしいものである。



こうしてアリスたちは天界に続くエレベーターに乗って、天界に着いた。天界はよくある床が白い雲であった。


「遅かったな。」


天界では天使のミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエルが待ち構えていた。


「出たな! 天使たち!」


アリスは天使たちを見て身構える。


「囚われている悪魔を返してもらうわよ!」


アリスはあくまでも傲慢のルシファーと呼ぶのは乙女心に抵抗があるので、囚われた悪魔という言い方をしている。


「返してほしかったら、俺たち4大天使を倒してから行くんだな。」


天使ミカエルはアリスを挑発する。自分たち天使は強いので負けないという自信があるのだった。


「では、お言葉に甘えて。」


憤怒のサタンがミカエルの頭をワンハンドで掴む。


「な、なに!?」


いきなり憤怒のサタンが現れたので、天使ミカエルは対応することができなかった。


「動いたら、頭蓋骨を破壊する。」


憤怒のサタンは天使ミカエルを脅す。


「ミカエル!?」


天使ガブリエルたちがミカエルを助けに行こうとする。


「ストップ! みなさん動かないで。カワイイ顔に傷がつきますよ。」


色欲のアスモデウスが天使ガブリエル、ラファエル、ウリエルに聞こえる大きな声で言う。よく見ると、3人の天使の周りに悪魔たちが配置されている。天使1人に悪魔が2人で見張っている。


「クッ!?」


流石の天使たちも身動きが取れない。だが、素直に抵抗しない天使たちは余裕すら感じられた。


「アリスさん。私たちはあなたのおかげで、不幸から幸せになることが出来ました。本当にありがとう。これはその恩返しです。」


幸せの女神ハッピネスがアリスに笑顔で語りかける。


「ハッピネスちゃん。」


アリスはハッピネスちゃんの言葉に胸が熱くなる。


「さあ、ここは私たちに任せて、囚われている傲慢のルシファーを助けに行ってください。」


幸せの女神ハッピネスはアリスを先に行かせようとする。


「分かったわ! ありがとう! ハッピネスちゃん! 悪魔たち!」


アリスはお礼を言うと天界の牢屋を目指す。


「ディスティニー、あなたも運命の女神として、運命の騎士ディスティニーナイトのアリスさんを助けてあげて。」


幸せの女神ハッピネスは、妹のディスティニーに言う。


「はい! 分かりました! ハッピネスお姉ちゃん!」


そう言うと運命の女神ディスティニーちゃんは、アリスの後を追った。


「待ってよ!」


姪のマリーアントワネット・萌子もアリスとディスティニーちゃんの後を追った。


「これから楽しいショーの始まりだ。」


天使ミカエルは不敵に笑う。



(実験で、少しここから書き方が変わる。)


アリス、ディスティニー、マリーアントワネット・萌子の3人は、天界の牢屋に囚われているであろう悪魔の傲慢のルシファーを探すべく、天界を走って移動中である。

「いったい天界の牢屋はどこにあるのよ!?」

アリスはイライラしていた。初めてやって来た天界。これだけ広い雲の上で牢屋がどこにあるのか分からないのだ。

「地図でもあるといいですね。」

運命の女神ディスティニーちゃんは、天界の雲の床の上でも雲の壁でもいいので、天界の地図があればいいのになっと思った。

「待ってよ!? 私、そんなに走れないよ!?」

運命の騎士ディスティニーナイト2の小学生のマリーアントワネット・萌子はずっと走っているので息が切れてバテバテだった。

「置いていくわよ!? マリモ!?」

アリスは姪のマリーアントワネット・萌子に対して厳しかった。

「疲れた! 休もうよ! アリスおばさん!」

マリーアントワネット・萌子は走るのをやめて、その場に座り込んでしまう。

「アリス、私たちも1度休んで体力を回復してから、牢屋を目指しましょう。」

運命の女神ディスティニーちゃんも休憩を入れることに賛成だった。

「しょうがないわね。少しだけ休憩しましょう。」

アリスも捜索を一時中断して雲の上に腰をかけて座り込んだ。

「まったく、あいつはどこにいるのよ?」

アリスは空を見上げて、囚われている傲慢のルシファーのことを想い途方に暮れる。

「んん!?」

アリスは見上げた空に何かを見つけた。その見つけた者は人の形をしていた。どこかで見覚えのある顔をしていた。

「ルシファー!?」

アリスは探し求めていた傲慢のルシファーを見つけた。

「誰だ? おまえは?」

しかし傲慢のルシファーの様子が変だった。不幸な悪魔の闇のオーラは消え去っており、代わりに聖なる光のオーラに包まれていた。頭には聖なる光の輪っかがあり、背中から羽が生えていた。

「え? 私よ!? アリスよ!?」

傲慢のルシファーはアリスのことを覚えていなかった。いつもなら「ひよっ子」「高飛車なアリス」とバカにしてくるのにアリスのことを。まるで知らないようだった。

「知らない。」

傲慢のルシファーはアリスのことを知らないと言った。

「ええ!? なによ!? それ!? また私をからかっているんでしょう!?」

アリスは傷を負っていること心配し、会いたくて天界まで探しに来て、やっと巡り合えた想い人、傲慢のルシファーはアリスのことを覚えていなかった。

「私は天使ルシファー。」

傲慢のルシファーは自分のことを天使と言った。

「天使!?」

不幸で嫌味で、どこからどう見ても悪魔で傲慢だったルシファーが自分のことを天使だと言うのだ。

「光をもたらす者である。」

天使ルシファーは、明けの明星を指す。

「私は天使の中で1番美しい天使である。」

不幸な悪魔の傲慢のルシファーと違い、天使ルシファーは聖なる光のオーラを神々しく放ち顔を明るく照らしている。その顔はとても凛々しく美しかった。

「ちょ、ちょっと!? 何を言ってるのよ!? 冗談はやめて、みんなの所に帰りましょうよ。ハッピネスちゃんや悪魔たちも一緒に天界に来ているのよ!?」

アリスは、まだ傲慢のルシファーが天使になったなどということが信じられなかった。自分の目の前で天使ルシファーを見ていてもだ。

「人間よ。おまえはなぜ天界にいる。」

天使ルシファーは悪魔の傲慢のルシファーだった頃、あれだけ可愛がっていたアリスのことを覚えていない。

「あなたを助けに来てやったんでしょ!?」

アリスが天界に来た目的は、天使に囚われた悪魔の傲慢のルシファーを助けるというものだった。それなのに天界で再会した悪魔は天使に生まれ変わっていた。

「私を助ける? 人間ごときが天使である私を助けると言うのか?」

元は悪魔の傲慢のルシファー。やはり天使になっても傲慢だった。

「それよ! その傲慢さ! あなたが悪魔だったって言う証拠よ!」

アリスは必死に天使ルシファーを説得するが、アリスの声は届かない。

「人間ごときが天使を侮辱するとは許せない。神の裁きを受けるがいい!」

天使ルシファーは、天使は高貴な者であり、たかが人間が天使に意見することを許さなかった。

「天使の偉大さを知りながら、反省するがいい! ルシファー・ハッピー!」

天使ルシファーが幸せの聖なるオーラでアリスを攻撃してくる。

「キャア!?」

アリスは間一髪のところで避ける。

「怒ったわよ! その天使面を引っ剥がして、悪魔に戻してやろうじゃないの! あなたの運命を変えてやる!」

アリスは天使ルシファーと戦うことを決める。必ず傲慢なあの人を取り戻し連れて帰ると決意する。

「アリス・ディスティニー・ナイト!」

アリスは運命の光に包まれて、運命の騎士ディスティニーナイトに変身していく。

「運命の騎士ディスティニーナイト、アリス参上!」

アリスは運命の騎士ディスティニーナイトとして、天使ルシファーと向き合う。

「運命の女神の力に寄るものか、おもしろい。天使の恐ろしさを教えてやろう!」

天使ルシファーは運命の騎士ディスティニーナイトになったアリスと戦うつもりである。

「天使だろうが! 傲慢だろうが! 高飛車な私が勝つのよ!」

ついにアリスと天使ルシファーの最終決戦が行われようとしていた。


つづく。












































































































  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る