第29話 グラハム線(中後編)
(著者注: 読みやすくするために、FGHの定義を再掲する。書籍などの前に書かれた内容を参照しやすい媒体に転載する際には、この部分は削除してかまわない。物語上は、「前話の定義がノートに書かれているのでそれを参照している」ということにする。
n: 自然数
a: 順序数
f_0(n) = n+1
f_(a+1)(n) = f^n_a(n)
f_a(n) = f_a[n](n) もしaが極限順序数のとき
)
『では、f_(ω+1)(2)を計算してみましょう。a=ωとして、2番目の規則が適用されます』
f_(ω+1)(2)
= f^2_ω(2)
= f_ω(f_ω(2))
= f_ω(f_2(2))
= f_ω(8)
= f_8(8)
> 2↑↑↑↑↑↑↑8
『同じ要領で、f_(ω+1)(3)も計算してみます』
f_(ω+1)(3)
= f^3_ω(3)
= f_ω(f_ω(f_ω(3)))
= f_ω(f_ω(f_3(3)))
≒ f_ω(f_ω(2^402653184))
≒ f_ω(2↑↑...(↑が2^402653184本)...↑↑2^402653184)
≒ 2↑↑...(↑がA本)...↑↑2^402653184 (A≒2↑↑...(↑が2^402653184本)...↑↑2^402653184)
=
2↑↑...↑↑2^402653184
`----v----′
2↑↑...↑↑2^402653184
`----v----′
2^402653184
『このように、f_(ω+1)(n)は矢印の本数そのものを大きくすることができます』
「なにか、非常に大きい数になりましたね」
『これを使うと、グラハム数はf_(ω+1)(64)で近似できます』
「グラハム数は、矢印の数を64回入れ子にするのですよね」
『はい。グラハム数は、このように表されます』
3↑↑...↑↑3 `
`----v----′ |
3↑↑...↑↑3 |
`----v----′ > 64段
: |
: |
3↑↑↑↑3 ′
なんだこの図は。矢印の本数がそれぞれの数の下に書かれているのか。こんな図は初めて見たぞ。
(著者注: 私もカクヨムではこんな図は初めて見ました。)
『矢印が64段積み重なっているので、f_(ω+1)(64)で近似できます』
「すごく大きな数なのですね」
『ここからが本番です、と言いたいところですが、今はここまでにしましょう。もっと大きな数に着いたときに、現地で学びましょう』
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