第6話忌むべき行動
尾板に呼び出された場所は学校ではなく近くにある廃港だった。
呼び出した理由はあってから伝えると言われた。
廃港にはすでに尾板がいた。中に入ると尾板が
「おはよう、星夜。ここに来てくれてありがとう。早速だが、君も聞きたいと思っているだろう要件を伝えよう。なあ、俺の手駒になれ。労働環境は良好なものを提示しよう。君の無属性の力には興味がある」
廃港に呼び出された時点で嫌な予感はしていた。ほかの先輩や先生方に尾板について聞くとこの学園に少数いる研究熱心な教師のうちの一人らしい。
「先生に自分の適正を伝えた時点でこうなる予感はしてました。僕みたいな無属性に適性を持った人間は損ですよね。あなたみたいな人がいるせいで、実験のモルモットにされて、意思のない道具みたいな扱いをされる。無属性の力のおかげで傷を治せたり、人によっては死者を蘇生できたりするせいで」
無属性の力の及ぶ範囲は創造・修復。無から有を生み出し、傷を修正の対象として治し、消し去る。新たな命を生み出すのはむりでも、消えた命の灯に火を灯し治せる場合がある。こんなヒトが持つには大きすぎる力のせいで苦労を強いられる人間がいることにこいつのような研究者どもは気づかない。
「そうだな、無属性の力というのは好奇心を掻き立てられるんだ。そんな面倒な力をもって生まれてきた自分を恨みな。最近の裏研究会で作られたんだが研究対象を捕縛するための道具だ。これを対象にはめると対象の魔法の発動を妨害できる効果があるんだ」
尾板はそう言って、首輪と手錠をみせてきた。
「これを両方はめる必要はない。どちらか一方でいいんだ。自分の意思で俺に従うか、これで、強制的にそれこそモルモットのように扱われるのとどっちがいい?」
「僕としてはどちらも遠慮させてもらいます。もう、あんな実験に巻き込まれるのはいやなんだ」
「なにを言っているのか知らんが、拒否するなら強制だな。この場合良好な労働環境は保証されないから、気をつけろよ」
そう告げて、尾板は攻撃魔法の展開をはじめた。
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次回は戦闘回になります。
戦闘描写はうまくできないかもしれないので、温かく見てください。
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