第3話魔法学校の入学式と魔法教習

 どこの学校でも校長やら、先生方やら、壇上に立つ人の話というものは長いらしい。たった3人が壇上に登っておめでとうを言うだけで、1時間はかけすぎだろと思う。

 これは、俺の出番は短くしなくては。

 俺には今回新入生代表とかいう『大変光栄な役割』とやらをいいつかっている。

 スピーチとしては少し短め程度で書き上げたが、もう少し減らしながら読んだほうがよさそうだ。

《続きまして、新入生答辞。新入生代表、空見 星夜》

「はい」

 静かに生徒の群れを抜け、壇上へと上がる。ここから生徒のいる位置をよく見ると4割以上は眠っているようだ。面倒だし、とっとと終わらせよう。

「雪が解け、春を象徴する草花が花を咲かせ、日差しも柔らかくなった今日、私たちは入学というハレの日を迎えました。それにあたり、このような式典を催してくれたことに大変感謝しております。まだまだ、わからないことだらけの私たちに、先輩方、諸先生方、どうかいろいろ教えてください。また、ここにおくりだしてくださった両親、まだまだ迷惑をかけるとおもいますが、よろしくおねがいします。

 以上を私の入学の挨拶とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。」

 おそらく、これでちょうどいい分量に調整できたはず。

《ありがとうございました。それでは、以上をもちまして~》

 どうやら、長かった入学式も終わりらしい。

《新入生の皆さんは先生の誘導に従って各自教室へ戻ってください》

「じゃあ、みんな、教室までの道はわかるな。各自で向かってくれ。解散」

 うちの担任はどうやら適当らしい。


 ―――――――教室に帰って―――――


「入学式で今日の日程は終わりじゃない。簡単な魔法の基礎知識の復習をしてもらう。」

 教室に帰って、担任が教壇に上がるとそう宣った。

 この世界ではほとんどの人間が魔法と呼ばれる不思議な力を使うことができる。そのため、簡単な内容は小学校から習っている。しかし、魔法によって世界には魔物という危険な生物や一般的な生物が突然変異を起こし狂暴化したもの、魔法を軍事力として扱うものがいたりするため、攻撃魔法も存在する。ただし、中学までで教わるものは殺傷能力のないスタンガンのようなものや、極端に殺傷能力の低いもののみが教えられる。普通の高校に行くと、これらを少し強化した程度のものを護身用として教わるのみだ。しかし、この魔法高校では、戦闘用の攻撃魔法も教わる。今日のレクリエーションはそのためのものだ。

「君たちはおそらく、中学までに《ショックボルト》などの相手にショックを与えることで動きを封じるものを教わってきたはずだ。

 《ショックボルト》や《アクアボール》はものによって習得しやすい、しにくいがあったはずだ。それは、中学まででは個人差として教わったと思う。それは強ち間違いじゃない。ただ、正解というには範囲が広すぎる。

 魔法には『属性』というものが存在する。例えば、《ショックボルト》は電撃を与えるものなので、雷属性。《アクアボール》は水を操っているので水属性といった具合だ。

 このふたつ以外にも火、自然が基本4属性として存在していて、もっとレアな存在として光、闇の2属性が、さらにレアな、言うならば、スーパーレアな存在として無属性が存在する。

 属性は相関が成り立っており、火は自然に、自然は雷に、雷は水に、水は火にそれぞれ強い。また、光と闇は互いに対立している。無属性のみ相関にはなんら関与していないといった具合にな。

 そして、人には最低一つは『適正属性』というものが存在する。例えば火属性が適性の人ならば、火魔法は得意だが、水魔法は苦手といった感じになっている。

 そして、人の適正は簡単に知ることができる。知りたい相手の目をよく見るんだ。目の色はその人の最も得意な属性に関する色をしている。例えば、火属性は赤系の色、水属性なら青系統、自然は緑系、雷は黄色、光は様々な色があるが総じて色が薄い。つまり、水色とかだな。闇属性は紺色や紫が多い。無属性は黒の瞳をしているらしい。ただ、これはあくまでも瞬間的に相手の属性を判断するための手段で正式に図ったものではない。カラーコンタクトなどを使えばごまかせることを忘れないでほしい。」



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 今回はここで切ります。ほんとはもうちょい魔法に関する説明をいれる予定です。

 中途半端なところで切って申し訳ありません。

 続きは早く出します。

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