第一章

第2話魔法学校へ

 ジリリリリーーー俺を居心地のいいまどろみから引きはがすベルの音が鳴り響く。それを止めて俺は引き続き寝ようとふとんをかぶりなおす。布団にくるまると同時くらいのタイミングで一階から母さんの声が響いてくる。

「星〈ホシ〉、煌〈コウ〉、いい加減起きなさい!入学式から遅刻なんてみっともないわよ!」

 母さんの呼び声が階下から聞こえてくる。時計を見るとそろそろ起きなければ間に合わない時間だった。布団を抜け出し、軽く伸びをする。

 部屋を出ると、向かいの部屋から煌夜〈コウヤ〉が出てくるところだった。

「星、おはよう」

「煌、おはよう」

 俺、星夜〈セイヤ〉と煌夜は一卵性双生児というやつだ。なので、ぱっと見や、初対面の人は見わけがつかないらしい。前は見わけがつかないというのも面白くていろいろしたけれど、今はむしろ、見分けてもらえないことが苦痛だったりもする。

「星、いい加減降りるぞ。母さんがそろそろキレる」

 そんなことを考えていたら煌から声を掛けられた。

「わかった。行こう」

 1階につくと、俺ら以外はみんな集合していた。

「あら、おはよう。早く朝ごはん食べないと遅刻するわよ」

「おはよう。ゆっくりねむれたか?まだ越してきて日が浅いからいろいろ大変かもしれんが、頑張ろうな」

「星にい、煌にい、おはよう。おれ、先に行くね」

「二人とも、おはよう!にい達、もう少し早く起きれるようにがんばったら?」

 俺ら以外の家族4人が順に挨拶してきた。

「母さん、父さん、白〈ハク〉月〈ツキ〉、おはよう。あと、早く起きれるようになってたら苦労しないから」

「そんなこと、後でいいから早くご飯食べて!遅刻するわよ」

「はーい」

 毎朝、似たような会話が広がるのが我が家の朝の日常だ。とはいっても、この家でやってる回数はまだ少ないのだけれども。なぜなら、さっき父さんが言っていたようにうちはまだこの辺に引っ越してきたばかりだからだ。父さんの急な転勤でこっちに来ることになった。だから、まだ、この辺の道にも暗い。多少迷っても問題ないように早めに出ようとしているのだ。

 こんなことを考えながら朝ごはんを食べ終え、いつもの格好に着替える。

 今日から通う魔法学校は学ランではなくブレザーだ。

 着替えたらカラコンを入れて、髪を整える。

 準備が完了したらすでに準備の終わっていた煌と一緒に学校へ向かう。

 学校へ着くと、時間には少し余裕はあったものの、もう少し遅かったら大変だったかもしれない。

 指定された教室煌と共に入るともうすでにほとんどの机にはひとが座っていた。

 特に知り合いもいないので、特に何かをするわけでもなく時間をつぶす。

 少しすると、教師がやってきた。

 どうやら、入学式の会場に向かうらしい。






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 更新はスローペースになると思います。

 気長に待ってくれるとうれしいです。

 もう何話かは短いと思いますが、ちょっとずつ伸ばしていくつもりです。

 よろしくおねがいします。

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